「投資INSIDE‐OUT」

マイナス金利政策解除の受け止めと今後の日本経済

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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◆日銀の大規模緩和修正への評価はまずまず

3月19日に日銀は、マイナス金利などの大規模緩和政策の解除・修正を決めました。今般公表されたアンケート調査によると、市場参加者は日銀の決定内容をおおむね高く評価しているようです(下図)。

◆金融市場の落ち着いた反応の背景は?

金融市場でも混乱は見られませんでした。3月19日の決定後の金融市場は株高・円安となり、長期金利は主に0.7%台で落ち着いて推移しました。一般的に中央銀行が利上げを決めると、市場金利は上昇し、為替市場では自国通貨高圧力が生じる一方、株式市場には下落圧力がかかりやすくなります。今回教科書に反した値動きになったのは、日銀が今後も緩和的な金融環境を維持する姿勢を強調したことに加え、政策の修正内容が事前に概ね消化されていたことが影響したとみられます。

今回の修正が市場で織り込み済みだった主因は、2月8日の内田日銀副総裁の講演内容にあったようです。副総裁は全13ページの講演原稿のうち約4ページを費やして、政策修正内容のヒントを丁寧に解説しました。改めて読み直すと、講演は3月19日の公式発表を示唆した内容となっており、市場参加者は事前にそれを熱心に読み込んでいたため、サプライズなく受け止められたとみられます。

◆副総裁講演のもう1つの論点

ところで、内田副総裁の講演では、政策運営とほぼ同じ紙幅を割いて、今後の企業経営の考え方が述べられていました。

『僭越な申しようもあるかと思いますが、論点をシャープにするため、お許しください』と断ったうえで、『人手不足は、困ったことだと思うが、チャンスでもある』『働く人に選ばれる企業になれるかどうか、「働く人の眼」を基準に、個々の企業の変革と新陳代謝が進む』『「新陳代謝」は(中略)現実としては、一定数の企業の減少を意味する』『このダイナミズムがなければ、成長力の回復は見込めない』などと述べました。

企業倒産などの「痛み」も排除しない覚悟の必要性を公の場で述べたという点で、近年の日本の政策当局者の発言としては異例の内容でした。

大規模金融緩和の下支えなき日本経済は、いよいよその地力が問われるということでしょう。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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