G7とは?加盟国やG20との違いについてもわかりやすく解説

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G7とは、日本や米国など7つの加盟国が参加する枠組みや会議を指します。加盟国の数が少ない点が、G20との違いです。

本記事では、G7の加盟国や議長国の決め方、G7の首脳が集うサミットの概要についてわかりやすく解説します。

G7とは

G7(Group of Seven)とは、日本を含む7か国と欧州連合(EU)が参加する枠組み・会議のことです。ただし、G7の会議には、加盟国以外の招待国や国際機関などが参加することもあります。

ここから、G7の加盟国や議長国、招待国について確認していきましょう。

G7の加盟国とは

G7の加盟国は、以下のとおりです。

・フランス
・米国
・英国
・ドイツ
・日本
・イタリア
・カナダ

当初はフランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリアの6か国首脳が集まる会議でしたが、途中からカナダやEC(現EU)の欧州委員会委員長も参加するようになりました。欧州理事会に常任議長が置かれたことに伴い、2010年より欧州理事会議長も会議に参加しています。

G7の議長国とは

G7議長国とは、サミットの議題を設定したり、スケジュールを調整したりする国のことです。任期は1月~12月の1年間で、フランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリア・カナダの順に各国が持ち回りで務めます。日本は2023年までに計7回議長国としての役割を務めました。

サミットは、基本的に議長国の都市で開催されます。2024年の議長国はイタリアで、G7サミットは同国のプーリアにおいて6月に開催される予定です。

サミットについては、後ほど詳しく解説します。

G7の招待国とは

招待国とは、G7の加盟国以外で会議に参加できる国のことです。たとえば、2023年のG7広島サミットでは、以下の国が招待国として参加しています。

・オーストラリア
・ブラジル
・コモロ(アフリカ連合(AU)議長国)
・クック諸島(太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国)
・インド(G20議長国)
・インドネシア(ASEAN議長国)
・韓国
・ベトナム

また、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日したことに伴い、ウクライナ支援について対面で話し合いの場が設けられました。

G7サミット(主要国首脳会議)はG7の首脳が集う場

G7には、加盟国の財務大臣・中央銀行総裁が集う会議、外務大臣が集う会合など、さまざまな種類があります。G7サミット(主要国首脳会議)とは、数ある会議のうちG7加盟国の首脳が集う場のことです。

ここから、サミットで話し合われることや、過去に日本で実施されたサミットについて解説します。

サミットで話し合われること

G7サミットでは、開催時期における国際社会の重要な課題について話し合われます。主な課題は以下のとおりです。

・世界経済
・地域情勢
・地球規模の課題

話し合われた成果は、最終的に文書にまとめて公表されます。

サミット開催にあたって、事前準備を進めるのが各国のシェルパです。各国首脳の補佐役であるシェルパが、それぞれ緊密に連絡を取り合いつつ準備を進めていきます。

過去に日本で実施されたサミット

日本では、これまでに7回サミットが開催されました。各サミットの名称・時期・当時の首相名は以下のとおりです。

・東京サミット(1979年、大平首相)
・東京サミット(1986年、中曽根首相)
・東京サミット(1993年、宮沢首相)
・九州・沖縄サミット(2000年、森首相)
・北海道洞爺湖サミット(2008年、福田首相)
・伊勢志摩サミット(2016年、安倍首相)
・広島サミット(2023年、岸田首相)

G7の歴史・流れ

(G7)サミットは、参加国が6か国や8か国の時期もありました。ここから、G7の歴史や主な出来事について簡単に紹介します。

1976年米国で第2回サミット開催

参加国がカナダを加えて現在の7か国になったのは、米国プエルトリコで開催されたサンフアンサミット(第2回)からです。最初のサミット(フランスのランブイエで開催)には、カナダを除くフランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリアの6か国首脳が参加していました。

また、英国で開催されたロンドンサミット(第3回)からは、欧州共同体(EC)の欧州委員会委員長が参加しています。

1998年ロシアが加わりG8になる

冷戦終結後に開催されたロンドン・サミット(1991年、英国)では、サミット終了後にサミット枠外でG7首脳とロシア大統領が会合の場を設けるようになります。また、イタリアのナポリ・サミット(1994年)から、ロシアの大統領が首脳会合のうち政治討議に参加するようになりました。

そしてデンヴァー・サミット(1997年、米国)以降、ロシアは一部セッションを除いて基本的に全ての日程に参加するようになります。バーミンガム・サミット(1998年、英国)以降は、ロシアを加えたG8の名称が使われるようになりました(2003年におけるフランスのエビアン・サミットからロシアが全ての日程に参加)。

2014年再びG7に戻る

2014年より、G8は再びG7に戻ります。2014年3月、ロシアがウクライナ領クリミア半島を併合したことがきっかけです。

ロシアによるウクライナの主権・領土侵害を受けて、第3回ハーグ核セキュリティ・サミット(2014年、オランダ)において急遽G7サミットが開かれ、ロシアのG8参加を停止することが決まりました。

以降は、G7として関連会議が開かれています。

G7とG20の違いとは

G7以外に、G20の枠組みでサミットや関連会議が開催されることもあります。G7は自由・民主主義・人権などの基本的価値観を共有する国々が集う枠組みであるのに対し、G20は新興国や資源国などさまざまな国々が世界的課題を解決するために集まる枠組みである点が主な違いです。

G20には、G7に加えて以下の国々が加盟しています。

・アルゼンチン
・オーストラリア
・ブラジル
・中国
・インド
・インドネシア
・韓国
・メキシコ
・ロシア
・サウジアラビア
・南アフリカ
・トルコ

これらの国々に欧州連合・欧州中央銀行を加え、合計20の国(地域)でG20が構成されています。さらに、2023年9月にインドで開催されたG20サミットでは、AU(アフリカ連合)が常任メンバー入りすることについての合意がありました。

近年実施されたG7サミット・G20サミット

2021〜2023年に実施されたG7・G20サミットは以下のとおりです。

・G20ローマ・サミット(2021年)【イタリア】
・G7エルマウ・サミット(2022年)【ドイツ】
・G20バリ・サミット(2022年)【インドネシア】
・G7広島サミット(2023年)【日本】

近年のサミットで話し合われたことについて、簡単に紹介します。

G20ローマ・サミット(2021年)【イタリア】

2021年10月にイタリアのローマで実施されたG20サミットでは、世界経済のより良い回復と持続的かつ包摂的な成長実現に向け、「保健(新型コロナウイルス対策含む)」「気候変動」「開発」などの重要課題について話し合われました。

サミットで採択されたローマ首脳宣言では、「今世紀半ば頃までに、人為的な排出量と吸収源による除去量の均衡を達成すること」などが盛り込まれています。

G7エルマウ・サミット(2022年)【ドイツ】

2022年6月にドイツのエルマウで実施されたG7サミットでは、「世界経済」「インフラ・投資」「外交・安全保障」「ウクライナ情勢」「気候・エネルギー・保健」「食料安全保障・ジェンダー平等」など多岐にわたって話し合われました。

ロシアのウクライナ侵略に対してG7が結束して国際社会の秩序を守り抜くことを確認し、サミット後にウクライナ支援に関するG7首脳声明も出されています。

G20バリ・サミット(2022年)【インドネシア】

2022年11月にインドネシアのバリで実施されたG20サミットでは、「共に回復し、より強く回復する」のテーマで、「食料・エネルギー安全保障」「国際保健」「デジタル・トランスフォーメーション」などの課題について各国で議論されました。

サミット後に採択されたバリ首脳宣言には、「ほとんどのG20メンバーは、ウクライナにおける戦争を強く非難」していることが盛り込まれています。

G7広島サミット(2023年)【日本】

2023年のG7サミットは、5月に日本の広島で開催されました。サミットでは、「地域情勢(主にウクライナ)」「核軍縮・不拡散」「経済的強靭性・経済安全保障」「気候・エネルギー」「食料」「保健」「開発」が主な議題として取り上げられています。

また、サミット後に採択された首脳宣言には、「ウクライナ支援を継続すること」「核兵器のない世界という究極の目標に向けて、軍縮・不拡散の取組を強化すること」などが盛り込まれました。

G7とはサミットに参加する主要7か国

G7とは、基本的価値を共有する7か国(フランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリア・カナダ)の枠組みのことです。G7のメンバーで、毎年首脳会議(サミット)や外相会議などが開催されています。

G7サミットで話し合われるのは、国際社会の重要な課題です。投資を始めて世界経済が気になる方は、今後G7・G20サミットの内容にも注目しましょう。

参考:外務省「G7 G7に関する基礎的なQ&A」
参考:外務省「報道発表 G20ローマ・サミット(概要)」
参考:外務省「G7エルマウ・サミット(概要)」
参考:外務省「G20バリ・サミット(概要)」
参考:外務省「G7広島サミット」

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

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