米国株、日本株、ドル円の季節性は?
今年も“Sell in May”の季節がやってくる
提供元:MONEY VOYAGE(みずほ証券)
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■米国株は夏場にパフォーマンスが振るわない傾向
5月が近づくと耳目に触れる機会が増える相場格言として、「Sell in May and go away(5月に売って去れ)」があります。これは、米国株相場が夏場に軟調に推移する傾向があり、その前に売却すると良いというものです。
実際、1974年から2023年まで50年間でNYダウの月次騰落率の平均値を確認すると、5月から9月にパフォーマンスが低下する傾向があります。この背景には諸説ありますが、夏場は機関投資家が長期休暇を取るため、買いが入りにくくなると説明されることが多いようです。
ただ、夏場であっても7月のパフォーマンスは良好です。7月に米国企業の4-6月期決算発表が本格化するため、決算期待の買いが株価を押し上げている可能性があります。過去の値動きを参考にすると、米国株を売却する時期は5月よりも7月の方が良いかもしれません。
日本株も夏場は振るわない
日本株も米国株と同様に、夏場のパフォーマンスが振るわない傾向があります。日本株相場は米国株相場の影響を受けやすいほか、日本株売買代金の7割程度を海外投資家が占めるため、海外投資家の長期休暇も影響しているのかもしれません。
ただ、米国株と異なるのは、7月のパフォーマンスも振るわないことです。日本企業は3月期決算が多く、10月下旬以降に発表される中間決算が重視される傾向があり、4-6月期決算はあまり材料視されないとも考えられます。
■夏場は円高ドル安の傾向
外国為替市場では、米国債の償還が多い8月は日本の機関投資家が米国債償還によって得たドルを円転するため、円高に振れやすいと言われています。1974年から2023年のドル円の平均月次騰落率を確認すると、8月前後でマイナス、すなわち円高ドル安になる傾向があります。こうした夏場の円高が、日本株のパフォーマンス低下につながっている可能性があります。
■値動きの傾向を知ると投資の参考になる可能性も
今回ご紹介した米国株、日本株、ドル円の平均月間騰落率は、過去の値動きであり、今後も同じような傾向になるとは限りません。ただし、売買の時期を判断する材料の一つになるでしょう。
MONEY VOYAGE(みずほ証券)