アジア太平洋諸国の株式指数・株価指数とは?中国・インドなどを紹介

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アジア太平洋諸国には、さまざまな株価指数が存在します。株価指数をチェックすれば、その国の経済状況を把握する際の参考になるでしょう。

本記事では、アジア太平洋諸国(中国・インド・タイ・韓国・オーストラリア)で使われている、株価指数の特徴を紹介します。

アジアの株価指数に注目すべき理由

中国を始めとする、アジア諸国の経済状況は日本の株価にも影響を与えます。そのため、ビジネスや投資においてアジアの株価指数に注目して経済状況を把握することが大切です。

また、投資信託の中には、アジア株を含んでいる商品がいくつもあります。そのため、今後投資信託の購入を検討している方は、アジアの株価指数に注目することで買い時・売り時を判断しやすくなるでしょう。

中国で使われる主な株式指数・株価指数

中国にはいくつかの取引所があり、株価指数もさまざまです。ここでは、中国本土と香港にある取引所の概要を説明してから、CSI300・上海50・科創板50の特徴や中国経済の特徴を解説します。

中国・香港にある取引所とは

中国本土や香港には、上海証券取引所・深セン証券取引所・香港証券取引所といった証券取引所が存在します。中国本土にある、上海証券取引所と深セン証券取引所には、A株市場とB株市場がある点がポイントです。

A株市場は中国の通貨である人民元で取引されるのに対し、B株市場は外貨(米ドル・香港ドル)で取引される点が主な違いとして挙げられます。海外投資家は、条件を満たさない限り原則としてA株市場では取引できません。

CSI300の特徴

CSI300とは、中国本土の証券取引所(上海証券取引所と深セン証券取引所)に上場しているA株のうち、時価総額や流動性が高い300の銘柄で構成された株価指数のことです。指数を算出しているChina Securities Index社(中証指数有限公司)を略して「CSI」と表現しています。

なお、2004年12月31日時点の時価総額を1,000ポイントとし、その後の時価総額を指数化することにより、CSI300が算出されています。

上海50の特徴

上海50とは、上海証券取引所に上場しているA株のうち、規模が大きい・流動性が高い50銘柄で構成される株価指数です。上海証券取引所が公表します。

上海50の値は、浮動株を調整(市場に流通しにくい株式を除外)した時価総額を加重平均したものです。また、2003年12月31日時点の時価総額を1,000とした上で、指数化して算出しています。

科創板50の特徴

科創板50とは、科創板に上場している企業のうち、代表的な50社を構成銘柄とした株価指数のことです。STAR50と呼ばれることもあります。

科創板(かそうばん)は、2019年7月に上海証券所が新たに開設した株式市場です。米国に依存せずに、半導体・医療・軍需産業などの分野で資金を集めることを目的として設立されました。

科創板50の算出方法は、浮動株比率(※)を調整した時価総額加重平均方式です。基準日は2019年12月31日で、その日の時価総額を1,000として算出しています。

(※)実際に売買される可能性の高い株式(浮動株)が、発行済み株式総数に占める割合のこと

中国経済の特徴

中国は、2010年の国内総生産(GDP)で日本を抜き、世界2位の経済大国となりました。経済成長の主な要因は、豊富な天然資源を有することや、人口の多さです。

しかし、近年は少子高齢化が課題として挙げられます。出生数の減少が深刻で、経済成長の根拠のひとつであった人口も、2023年にインドに抜かれて2位になりました。

インドの株価指数「Nifty50」

インドの代表的な株価指数として、Nifty50やSENSEX30が挙げられます。Nifty50はインドのナショナル証券取引所に上場している銘柄が対象であるのに対し、SENSEX50はボンベイ証券取引所に上場している銘柄が対象です。

今回は、Nifty50の特徴やインド経済の特徴について解説します。

Nifty50の特徴

Nifty50とは、インドのナショナル証券取引所(NSE)に上場している銘柄のうち、時価総額・流動性・浮動株⽐率などを考慮して選定された50の銘柄で構成される株価指数です。

Nifty50は、浮動株比率を調整した時価総額加重平均方式で算出されています。また、基準日(1995年11月3日)における値を1,000として、インドルピー建てで計算しています。

インド経済の特徴

2023年時点で、人口が1位の国である点がインドの特徴です。生産年齢人口の高さや、情報産業・IT産業の発展などを理由に、経済成長を続けています。

2022年時点において、インドのGDPは世界5位です。今後成長を続けて、日本を抜くとの予測も一部でされています。

一方で、一人あたりGDPはまだ低めである点は、インド経済の課題といえるでしょう。

タイの株価指数「SET50」

タイの代表的な株価指数は、SET50です。ここから、SET50の特徴や、タイ経済の特徴について解説します。

SET50の特徴

SET50とは、タイ証券取引所に上場している株式のうち、時価総額が大きく流動性の高い50銘柄で構成されている株価指数を指します。「SET」は、Stock Exchange of Thailand(タイ証券取引所)を略した用語です。

SET50は、基準日(1995年8月16日)の時価総額を1,000として算出しています。また、算出方法は、時価総額加重平均です。

なお、年に2回構成銘柄の見直しがあります。

タイ経済の特徴

製造業がGDPの約3割を占めている点が、タイ経済の特徴です。2022年におけるGDPは、世界第29位でした。

観光収入が大きな割合を占める点も、タイならではの特徴として挙げられます。2019年(新型コロナウィルス感染拡大前)の海外からの観光収入は605億ドルで、世界第4位でした。

なお、日本はタイにとって第3位の輸出国、第2位の輸入国であり、関係性が深い国です。

参考:外務省「タイ王国」

韓国の株価指数「KOSPI」

韓国の代表的な株価指数は、KOSPIです。ここから、KOSPIの特徴を説明してから、韓国経済の特徴について解説します。

KOSPIの特徴

KOSPI(コスピ)とは、韓国唯一の証券取引所(韓国証券取引所)における、メインボードのすべての上場銘柄で構成されている株価指数のことです。Korea Composite Stock Price Indexを略した言葉で、韓国総合株価指数を意味します。

KOSPIは、基準日(1980年1月4日)の時価総額を100として算出した数値です。また、時価総額は加重平均で求めています。

KOSPIには、自動車を製造する企業や通信機器を製造する企業など、韓国を代表する銘柄が上場されている点が特徴です。

韓国経済の特徴

20世紀末から現在に至るまで、韓国は2度の経済危機にさらされてきました。1度目は1997年のアジア通貨危機、2度目は2008年のリーマンショックです。

その後は、大手自動車企業や大手家電メーカーの成長などをきっかけに、経済成長を遂げています。一方で、輸出依存度が高い点が韓国経済の課題です。一般的に、国内の輸出が不調なときには、韓国経済にも悪影響が及ぶ傾向にあります。

なお、2022年におけるGDPは世界第13位でした。

オーストラリアの株価指数「S&P/ASX200」

オーストラリアの代表的な株価指数は、S&P/ASX200です。ここから、S&P/ASX200の特徴や、オーストラリア経済の特徴について解説します。

S&P/ASX200の特徴

S&P/ASX200とは、オーストラリア証券取引所に上場されている銘柄のうち、時価総額上位200の銘柄で構成されている株価指数のことです。S&P/ASX200の値は、浮動株調整した時価総額を加重平均して算出されています。

なお、S&P/ASX200の「S&P」は算出・公表している S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社、「ASX」はAustralian Stock Exchange(オーストラリア証券取引所)のことです。

オーストラリア経済の特徴

資源が豊富な点が、オーストラリア経済の特徴です。鉄鉱石やLNGで世界最大の輸出国である上に、世界最大のウラン資源国でもあります。

また、移民受け入れに対して比較的に積極姿勢を見せている点もオーストラリアの特徴です。移民政策に支えられ、人口増加を続けています。

なお、2022年におけるオーストラリアのGDPは世界第12位でした。

参考:在日オーストラリア大使館「資源・エネルギー分野」

日本だけでなくアジア諸国の株価指数にも注目しよう

日本でビジネスや投資をしている場合でも、アジア諸国の株価指数に影響を受けることがあります。アジアの株価指数の具体例は、中国のCSI300や上海50、インドのNifty50などです。

株価指数の種類によって、構成する銘柄の数や選出方法が異なります。それぞれの特徴を押さえた上で、日々ニュースをチェックしましょう。

参考:THE WORLD BANK「GDP Ranking」

ライター:Editor HB
監修者:鈴木 靖子(ファイナンシャルプランナー、AFP認定者)
監修者の経歴:
銀行の財務企画や金融機関向けサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に活かすためにFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。フリーランスがお金の知識を持つことの大切さを実感しており、フリーランス向けマネーブログを運営している。

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