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【かぶオプコラム】第6回:もう下落は怖くない!株の売り予約で利益を守るテクニック1

提供元:株式会社シンプレクス・インスティテュート

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【かぶオプコラム】
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第5回:株式投資で後悔しない!株の買いを予約する方法2

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「このコラムでは、株式投資をより効率的にしてくれる仕組み『かぶオプ』について連載でお伝えしてゆきます。」

株式投資は、預金などでは得られないような高い利益をもたらしてくれる可能性がある一方で、時には大きな損失が発生するかもしれないという不安とも隣り合わせの活動です。こういったリスクのある活動をする際は、万一に備えた保険があると安心です。例えば車の運転であれば自動車保険がありますし、健康リスクには医療保険や生命保険が存在します。株式投資にも同じように、保険があったらいいのに、と考えたことはないでしょうか。

実は、株式投資にも保険のような仕組みがあります。その仕組みを買っておくと、仮に保有株の値段が暴落していたとしても、自分の株はあらかじめ決めておいた高い値段で売れるという約束を取り付けることができます。それが、これからお話しする「プット」と呼ばれるものです。

例えば、以前に買った株から現時点で含み益が出ているとしましょう。来週、その企業の業績予想が発表されます。発表次第では株価が下落するかもしれないという不安があるとしたら、あなたはどうするでしょうか?株を売ってしまいますか?それとも保有し続けますか?せっかく利益が出ているので、業績予想の発表前に株を売り、利益を確定するというのも賢明な判断です。ただし、不安が杞憂に終わり、良い業績発表が出た場合には、株を売らなければよかったと後悔することになるでしょう。

そこで、「業績予想の発表後に、株価がいくらになっていても今の株価の水準で株を売ることができる」という権利を、今のうちに手に入れられるとしたらどうでしょうか?そうすれば、仮に悪い業績予想が出て株価が下がったとしても、今の水準で株を売ることができますから利益を確定できますし、逆に業績が良かった場合には、権利は使わずに株を保有し続けられるので、さらなる利益を狙うことができます。こんな上手い話しがあれば、ぜひともその権利を買っておきたいと思いませんか?

このような都合のよい権利のことを、「プット」と呼びます。つまりプットとは、「将来決めた日に決めた値段で株を売る」ことができる権利のことです。正式には、「将来決めた日」のことを「取引最終日」と呼び、「あらかじめ決めた値段」のことを「(権利)行使価格」と呼びます。つまり、保有株の下落が心配な時にプットを買っておくと、取引最終日に行使価格で株を売ることができるので、将来の下落に対して保険をかけておくことができます。

例えば、A社株を保有しているときに、A社株の行使価格1,000円のプットを買っておくと、取引最終日にA社株が800円に値下がりしていても、保有株を1,000円で売ることができます(図6-1)。プットの場合もコールと同様に取引最終日は毎月第2金曜日の前営業日です。

■図6-1:プット買いのイメージ(権利行使)

もう少し詳しく理解するために、実際の取引例でプットを使った取引をみてみましょう。例えば2024年4月12日の時点ですでに日経225連動型上場投信(コード1321、以下、日経225ETFと略記)を買って100口保有しているとしましょう。

その時点で日経225ETFは41,200円程度でした。二週間後、4月25日~26日の日銀の政策決定会合を控え、利上げの話題が出れば株価にはマイナスの影響が出るだろうという懸念があり、このままETFを保有し続けるか悩んでいたので、5月限行使価格41,000円のプット(つまり、5月の取引最終日に41,000円でこのETFを売ることができるプット)を1口につき650円で買うことにしました。保有株数が100株なので、ここではプットを100口買います。

■図6-2:日経225ETFの価格推

その結果、ご覧の通り、5月の取引最終日(5月9日)には日経225ETFは39,760円で引けました(図6-2)。取引最終日の終値がどれだけ値下がりしていても、行使価格41,000円のプットを買って持っていれば、41,000円でこのETFを売ることができます。最初にプットを買うために1口につき650円を支払っていますから、その分の出費はありますが、大幅に株価が下落しても、予め決めておいた値段でETFを売却でき、損失を出さずにすみました。

もともとこのETFを39,000円で買っていたとすると、100口あたりの利益は135,000円です。下の式の通り、最初に買ったコールの代金650円がコストとなっていることに注意してください。

41,000円 - 39,000円 - 650円 = 1,350円(1口あたりの利益)

このように、プットを買うことで将来決めた値段で株を売る確約が手に入り、下落に対する不安を取り除くことができます。ただし、プットを買った後に株価が上昇すれば、プットは不要だったということになり、プットを買った代金はコストとして残ります。プットを買うということは、掛け捨ての保険に加入するようなものだとイメージしておくとよいでしょう。

例えば海外旅行に行くときにだけ、万一に備えて海外旅行保険に加入するのと同じように、株式投資の保険の役割を果たすプットも、常に買っておく必要はありません。冒頭の例のように業績発表を直後に控えていたり、中央銀行の政策に関わる発表や、重要な経済指標が発表される直前など、この後株価が大幅に下落する可能性があるようなタイミングでプット買いましょう。

今回はプットを買ったことが有効だった例をご覧いただきましたが、次回はプットを買ったけれど下落が起きなかった場合について詳しくご説明します。

(株式会社シンプレクス・インスティテュート)

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