【後編】三井住友DSアセットマネジメントが機関投資家にも個人投資家にも届けたい「アクティブETF」

【三井住友DSAM】アクティブETFが個人投資家から評価される理由は「将来を考えた投資戦略」にある

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2023年11月29日に上場された「SMDAM Active ETF 日本高配当株式(証券コード:2011)」は、その名の通り「日本高配当株」に着目したアクティブETF。単に配当利回りが高い銘柄を組み入れているわけではなく、高い配当を“継続”できる銘柄を選定し、組み入れているところが特徴だ。

早くも機関投資家からも個人投資家からも注目を集めているが、実際にどのくらいの反応が返ってきているのだろうか。「SMDAM Active ETF 日本高配当株式」の企画・営業を担当した三井住友DSアセットマネジメント ソリューション営業部 法人マーケティングチームの南慶吾さんに、投資家からの反響や日本のETF市場のこれからについて聞いた。

想定よりも大きかった「個人投資家からの反響」

――前編で「SMDAM Active ETF 日本高配当株式」は機関投資家向けの私募投信で実績のある類似投資戦略を用いたとのお話がありましたが、実際に上場して機関投資家からの反応はいかがでしたか?

「機関投資家の皆さんにとっては私募投信で馴染みのある戦略だったこともあり、好意的に受け止めていただいている状況です。ただ、アクティブETF自体が日本では新しいものということもあり、『上場から時間が経ってトラックが積み上がってきたら活用する』という声を多くいただいています。

機関投資家の方々からの反応は、想定していたものでしたね。実は想定と違ったのが、個人投資家の皆さんからの反応だったんです」

――個人投資家からの反応は、想定よりも大きかったということですか?

「おっしゃる通りで、上場直後からSNSやネット掲示板で取り上げていただくことが多かったんです。あるインフルエンサーの方が『SMDAM Active ETF 日本高配当株式』を取り上げてくださった動画がすぐに10万回再生を超えるなど、我々が想定していなかった動きがあって驚きましたね」

――10万回再生はすごいですね。どのような点が個人投資家に評価されたのでしょう?

「SNSへの書き込みや動画へのコメントでは、『こういう高配当ファンドを待ってた』という声を多く見かけました。高い配当を継続する銘柄を組み入れるといったコンセプトを知っていただいたうえで、『増配を公表している銘柄を探すヒントになる』『少額から高配当銘柄に分散できるのがいい』といった評価をしていただいているようです。

ETFにはすべての組み入れ銘柄が公開されるという特徴もあるため、『組み入れ銘柄を見て、高配当株の傾向を勉強したい』といったコメントもありました」

――資産形成に活用するだけでなく、投資を学ぶ教材としても受け止められているんですね。実際に活用する個人投資家も増えていますか?

「一般的に残高は機関投資家のほうが大きく、投資家数は個人の方が多くなりますが、残高の推移や設定解約の状況から察するに、多くの個人投資家の方々に本ETFを活用していただいていると思われます。SNSでの書き込みなどから類推するに、『既存の高配当ファンドから一歩進んだ分散投資がしたい』『配当の“継続性”に注目したファンドを使いたい』というように、ある程度の投資経験を積み、より安定感のある運用をしたいと考えている方が活用してくださっているのだと思います」

「アクティブETF解禁」がきっかけで上がっているETFの注目度

――SNSの書き込みなどからも、個人投資家の意識やリテラシーが以前より一段階上がっている印象を受けますよね。

「上がっていると思います。数年前は高配当に注目する投資家の方々も、足元の配当利回りが高い銘柄を探す人が多かった印象がありましたが、現在は個人投資家の皆さんの間でも『減配しない銘柄を選ばないといけない』という声が出てきていて、リテラシーが上がってきているように感じますね」

――アクティブETFの解禁も手伝って、個人投資家の間でもETFの注目度が上がっているように感じますよね。

「そうですね。アクティブETF解禁のタイミングでは、どちらかというと機関投資家からの注目度が高まって残高が伸びると予想していたのですが、思いのほか個人投資家の皆さんの反応が大きかったです。それだけETFについて知ってくれている人が増えているんだと実感しますね」

――その変化のなかで「SMDAM Active ETF 日本高配当株式」を上場したのは、いいタイミングだったといえそうですね。

「おっしゃる通りで、いいタイミングで上場できたかなと思います。ボトムアップリサーチかつフルジャッジメント(人による投資判断)で高配当株を組み入れているETFは初めてで、既存のETFとも異なる特性のポートフォリオになっていますし、そこに注目していただけているんだと感じています」

日本のETF市場はまだまだ「伸びしろ」があるマーケット

――個人投資家の変化を感じられるいま、日本のETF市場全体はどのように捉えていますか?

「日本のETF残高は直近で89兆円を超えているといわれていますが、その中心は機関投資家です。個人投資家の利用に関してはまだまだ伸びしろがあり、盛り上がりを大きくできると感じています。

ETFは、販売会社を通さずに我々運用会社が投資家の皆さんに直接アクセスできるので、上場した商品がどう受け止められているか、どのような商品が求められているかといったことを、ダイレクトに検証できるメリットがあります。そのため、より一層ニーズに近い商品を発信していけると思っています。

一方で、これまでは個人投資家の方々との接点が少なかっただけに、商品を発信しながら皆さんの反応を確かめている段階ではあります。どのような商品や情報が話題になるかといったことを我々が見極めることが、ETFの盛り上がりのカギになると思います」

――より魅力的なETFが登場したら、投資家からの注目度もさらに上がっていきますよね。

「そう考えています。機関投資家に関しても、今後さらにETFの利用は広がっていくと感じています。前編でも話したように、私募投信からETFに移る流れが増え続けているため、ETF市場における伸びしろといえそうですね」

――今後のETF市場、見逃せないですね。最後に、改めて個人投資家に向けてメッセージをお願いします。

「当社に限らず、今後もさまざまなETFが上場されて、アクティブETFのラインナップも増えていくと思います。ETFには『リアルタイムで取引できる』『相対的にコストが低い』『組み入れ銘柄が開示されていて透明性が高い』『証券口座さえあれば日本に上場しているETF全銘柄にアクセスできる』といったさまざまなメリットがあり、利便性が高い商品ですし、ラインナップが増えることでご自身の投資に対する考え方に合うものも見つかりやすくなるはずです。『新NISA』が始まったいま、選択肢のひとつとして考えてみてください。

また、手前味噌にはなりますが、当社の『SMDAM Active ETF 日本高配当株式』は、高配当株運用をプロに任せて始めたいという方にご支持いただけるのではないかと思っています。減配リスクを回避するためのボトムアップリサーチをプロにアウトソースできるという側面もあるので、少額から始められる投資先のひとつとしてもらえたら嬉しいですね」

安定的かつ継続的な高配当株運用を、投資のプロに委ねられる「SMDAM Active ETF 日本高配当株式」。保有することで資産形成につながるだけでなく、投資や配当について学ぶこともできそうだ。いままさに注目のETFといえるだろう。

(取材・文/有竹亮介 撮影/森カズシゲ)

著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
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