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投資信託のトレンドが分かる!

2024年6月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2024年6月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「前月同様、大幅な資金流入超」

資金流出入額は約1兆2,710億円の流入超となり、前月(約1兆1,910億円の流入超)と同様、大幅な資金流入超となった。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、「外国株式型」(約1兆470億円)、「エマージング株式型」(約2,560億円)、「複合資産型」(約990億円)となった。米国のインフレ鈍化や円安進行の影響で「外国株式型」(前月約8,500億円)や「エマージング株式型」(前月約2,200億円)など、海外資産への流入額が増加した。

資産別の資金流出では、流出額の大きい順に、「不動産投信型」(▲約530億円)、「その他」(▲約410億円)、「国内株式型」(▲約170億円)となった。日銀の金融政策正常化が意識され、不動産投信型は12ヵ月連続で資金流出超となった。また、「国内株式型」は前月から上昇幅を広げたことなどから利益確定の売りが見られ、7ヵ月ぶりに資金流出超となった。

個別ファンドでは、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ)(約1,960億円)が1位となった。2位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ)(約1,680億円)、次いで3位には「アライアンスB・米国成長株投信 D」(アライアンス)(約1,300億円)がランクインした。流入上位ファンドの顔ぶれに大きな変化はなかった。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「海外資産が大きく上昇」

6月の金融市場は、米国のインフレ鈍化や円安進行の影響で海外資産のリターンが上昇した。一方、日銀の金融政策正常化が意識され、国内リートはマイナスとなった。

株式市場は、主要国を中心に上昇した。月上旬の米国株式は、米長期金利が低下したことなどから半導体関連銘柄が牽引する形で上昇した。その後、消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化した影響で上昇幅を広げ、S&P500種株価指数やナスダック総合指数は過去最高値を更新した。月下旬は高値警戒感から、上値が重く推移した。

欧州株式は、月上旬は欧州中央銀行(ECB)が利下げを実施したことで上昇した。その後、フランスの欧州議会選挙で極右政党「国民連合」が大勝し、国民議会(下院)の解散総選挙が急遽決定されたことで政権のねじれによる財政懸念が高まり、株価は下落した。月下旬は警戒感がやや落ち着き、横ばいで推移した。

日本株式は、月上旬は日銀金融政策決定会合を控え、早期の利上げや国債買入れ減額への警戒感などから、上値が重く推移した。その後、会合で国債買入れ減額が先送りされたことが好感されたが、欧州における政治的不透明感の広がりによってリスク回避の動きが強まったことなどから、下落に転じた。月下旬は、円安進行や国内長期金利上昇を受けて、自動車株や金融株を中心に上昇に転じ、TOPIXはバブル後高値を更新した。しかし、国内主要企業が2024年度の業績見通しを保守的に示したことで、海外投資家は日本株式に対して慎重さを増しており、海外株式に比べた出遅れは続いている。

債券市場は、国内金利、米国金利ともに低下した。米国10年国債利回りは、月上旬は景況感や求人件数が市場予想を下回り、低下した。その後、堅調な雇用統計を受けて低下幅を縮めたが、CPIが市場予想を下回り、再び低下した。月下旬は米大統領選でトランプ氏優勢との見方が広がり、財政赤字の拡大懸念から、下げ幅を縮めた。日本10年国債利回りは、月上旬は日本の1月-3月期GDP成長率(2次速報)が軟調であったことや、欧米の金利低下の影響を受けて低下した。月下旬は円安進行により、日銀の利上げ観測が高まったことで上昇に転じたが、月間を通しては小幅に低下した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円安となった。米ドル・円は、月上旬は米国のISM製造業景況感指数や求人件数が低下したことなどから、円高・米ドル安となった。その後、米雇用統計が良好であったことや、日銀が国債買い入れ減額を先送りしたことなどを受けて、円安・米ドル高に反転した。月下旬は、米長期金利が上昇したことから、一段と円安・米ドル高が進行した。ユーロ・円は、月上旬はECBが利下げを実施したことや、フランス政権の不透明感から円高・ユーロ安となった。月下旬は徐々に落ち着き、円・ユーロ間の金利差が意識されたことで、円安・ユーロ高が進行した。

これらを背景に、当月は国内リートを除く資産のリターンがプラスとなった。日本では年内の利上げが意識されているが、米国では経済指標が鈍化してきていることからFRBの利下げ観測が高まっており、米国を中心に株価は上昇した。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに減少」

当月の新規設定は13本と前月(16本)から減少し、設定額も約270億円と前月(約560億円)から減少した。

新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かったのは、「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」(三井住友DS)(約120億円)、次いで「いちよし・グローバル好配当戦略ファンド(年6回)」(東京海上)(約60億円)となった。

1位の三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジーは、個別企業の先行指標や業績予想に対する確信度の高い銘柄をボトムアップアプローチで選定する。2位のいちよし・グローバル好配当戦略ファンド(年6回)は、ファンド・オブ・ファンズの形態で世界のREIT・不動産関連企業の株式、世界の株式、日本の株式に分散して投資を行う。日本の株式はいちよしアセットマネジメントが運用を行い、それ以外はウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピーが運用を行う。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、6月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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