年金額が倍になると税金・社会保険料も倍…ではない?

年金月額「10万円」と「20万円」で税金・社会保険料の負担はいくら違うのか

提供元:Mocha(モカ)

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年金月20万円の人はどれくらい天引きされるの?

ここでは、年金が月20万円の場合、65歳~74歳と75歳以上では税金と社会保険料がどれくらい天引きされるのか試算してみます。

<試算の条件>
・年金:月20万円、年額240万円
・公的年金等控除(110万円)を控除後、雑所得は130万円
・東京都世田谷区在住
・単身者
・年金収入のみ

●65歳~74歳の場合

〇国民健康保険料
賦課基準額=前年の所得額-43万円
今回の試算による賦課基準額は、雑所得130万円-43万円=87万円です。

<基礎分>
基礎分の所得割額=賦課基準額×8.69%=87万円×8.69%=7万5603円
均等割額:4万9100円×被保険者数

基礎分の合計は、12万4703円です。

<支援金分>
所得割額:賦課基準額×2.80%=87万円×2.80%=2万4360円
均等割額:1万6500円×被保険者数

支援金分の合計は、4万860円

国民健康保険料⇒基礎分12万4703円+支援金分4万860円=16万5563円

〇介護保険料
今回の試算では雑所得が130万円になるので、保険料段階は下記に該当します。

第7段階:保険料額9万4200円
本人が住民税課税で、合計所得金額が120万円以上210万円未満

介護保険料⇒9万4200円

〇所得税
差し引く所得控除
・基礎控除:48万円
・社会保険料控除(国民健康保険料+介護保険料):25万9763円

雑所得130万円-48万円-25万9763円=56万237円
所得税率は5%なので、56万237円×5%=2万8011円

所得税⇒2万8011円

〇住民税
差し引く所得控除
・基礎控除:43万円
・社会保険料控除(国民健康保険料+介護保険料):25万9763円

雑所得130万円-43万円-25万9763円=61万237円

住民税税率10%+均等割5,000円
61万237円×10%+5,000円=6万6023円

住民税⇒6万6023円

試算の結果、65歳~74歳で年金が月20万円の場合、年金から天引きされるのは、税金9万4034円、社会保険料25万9763円となりました。

●75歳以上の場合

75歳以上になると後期高齢者医療制度へ移行します。それにより社会保険料控除の額も変わるので、税金も改めて試算します。介護保険料のみ65歳~74歳の保険料と変わりません。

〇後期高齢者医療保険料
均等割額:4万7300円
所得割額:賦課のもととなる所得金額×8.78%または9.69%
賦課のもととなる所得金額が58万円以下の場合は8.78%を、58万円超の場合は9.67%を掛けます。

賦課のもととなる所得金額は、以下のようになります。
前年の総所得額-43万円=130万円-43万円=87万円

よって所得割額の計算では9.67%を掛けます。
87万円×9.67%=8万4129円

後期高齢者医療保険料⇒所得割額8万4129円+均等割額4万7300円=13万1429円

〇所得税
差し引く所得控除
・基礎控除:48万円
・社会保険料控除(後期高齢者医療保険料+介護保険料):22万5629円

雑所得130万円-48万円-22万5629円=59万4371円
所得税率は5%なので、59万4371円×5%=2万9718円

所得税⇒2万9718円

〇住民税
差し引く所得控除
・基礎控除:43万円
・社会保険料控除(国民健康保険料+介護保険料):22万5629円

雑所得130万円-43万円-22万5629円=64万4371円

住民税税率10%+均等割5,000円
64万4371円×10%+5,000円=6万9437円

住民税⇒6万9437円

75歳以上の税金は、所得税2万9718円+住民税6万9437円=9万9155円
社会保険料は、介護保険料9万4200円+後期高齢者医療保険料13万1429円=22万5629円

試算の結果、75歳以上で年金が月20万円の場合、年金から税金9万9155円、社会保険料22万5629円が天引きされることがわかりました。

年金受給額が増えると税金・社会保険料も増えていく

ここで、年金が月10万円と20万円の場合、天引きされる税金と社会保険料がどれくらい変わるのか比較してみましょう。

<65歳~74歳の税金・社会保険料(年額)>

筆者作成

<75歳以上の税金・社会保険料(年額)>

筆者作成

年金が月10万円と20万円では、天引きされる税金と社会保険料がかなり異なることがわかりました。65歳〜74歳では約30万円、75歳以上では約27万円の差ですから、大きいですよね。

国民健康保険料と後期高齢者医療保険料には所得割があり、所得が多くなると保険料額も増えていきます。また、収入が少ないと所得税と住民税が非課税になったり、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料では均等割額の軽減が受けられたりする場合があります。

今回は年金収入のみ単身者の場合で試算しましたが、年金以外にも収入を得ていたり、扶養家族が増えたりすると、税金や社会保険料の金額が変わります。iDeCoや企業年金、個人年金などを受け取ると収入が増えて、税金や社会保険料が増える場合があることを頭に入れておきましょう。

(執筆:ファイナンシャルプランナー 前佛朋子)

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