過去の円高時に上昇した銘柄ランキング 4つの傾向で分類すると
提供元:野村證券(FINTOS!編集部)
日本銀行が今年7月に追加利上げを実施した一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月に大幅な利下げを行いました。日米の金融政策の方向性の違いから、一時1ドル=160円台をつけていたドル円相場は大きく円高へと傾きました。直近では、石破茂氏が自民党総裁選で勝利したことも円高材料視されました。
では、過去に円高が進行した時にはどのような銘柄が上昇したのでしょうか。また、それらの銘柄にはどのような特徴があるのでしょうか。
これを分析するために使った指標が、「対米ドル円ベータ値」です。これは米ドル/円の為替変動に対して、市場全体の変動を超えて動く傾向のある(為替感応度が高い)個別銘柄に注目できる指標です。
ベータ値がマイナスで値が大きい銘柄ほど、円高ドル安の為替変動の影響を受けて上がったということを意味します。また、ベータ値=0は、その銘柄は為替変動の影響を受けなかったということを意味します。
【銘柄ランキング】対米ドル円ベータ値
円高時に上昇した銘柄の特徴とは?
過去(5年間)、円高米ドル安が進行した際に上昇した銘柄は、概ね下記のようなグループに分けられます。
1.円高メリットグループ
小売・食品など、円高により商品や原材料の仕入コストが低下すると期待される業種
2.円高無関係グループ
ヘルスケア、インターネットサービスなど、為替の影響を受けにくいとされる業種
3.高成長期待グループ
成長期待の高い(実際に過去の増収率が高い)半導体・電子デバイス関連銘柄
4.高ROEグループ
内需、外需問わず、ROEが高い銘柄
一般的には、1や2のように、他の業種に比べ、円高米ドル安が業績に好影響(あるいは影響が限定的)であるグループの銘柄が上昇すると考えられがちです。
ただ実際には、円高が業績的には不利に働くことが多い高成長期待銘柄や、ブルーチップ性の高い高ROE銘柄も数多く名を連ねています。
(野村證券投資情報部 大坂 隼矢)