株価とは違った値動きをみせる金

暴落しても下落の少ない「金(ゴールド)」に投資する方法5選

提供元:Mocha(モカ)

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2024年1月から7月までの日経平均株価は、細かく上下しつつも全体的には右肩上がりに上昇し続けていました。しかし、8月に株価が急激に下落。たった2日間で約6668円も下がり、年初の株価をも下回る大暴落となりました。 新NISAのスタートをきっかけに2024年から投資を始めた方は、この暴落に驚いたのではないでしょうか。

今後、このような暴落が起こった場合に備えて持っておきたい資産が「金(ゴールド)」です。今回は、金の特徴や投資方法について説明します。

金は株式に比べて暴落しにくい

2024年8月2日と5日に、日経平均株価が大きく下落しました。8月1日の終値は3万8126円でしたが、8月5日の終値は3万1458円。たった2日間で約6668円、17.4%も株価が下がってしまう結果となりました。

このとき、金の価格も多少は下がったのですが、株式ほどの大きな下落ではありませんでした。8月1日の金店頭小売価格(税込)は1万2995円で、8月5日は1万2522円。2日間で3.6%の下落にとどまったのです。

2024年7月1日から9月24日までの日経平均株価と金価格の推移をグラフに表すと、次のようになっています。

<日経平均株価と金価格の推移 ※2024年7月1日=100として指数化>

日経平均株価と田中貴金属のデータをもとに作成

2024年8月の日経平均株価の下落が目立ちますが、金価格はそれほど下落していない様子が見て取れます。日経平均株価は9月にもやや下落を見せますが、ここでも金価格はそれほど下落していません。そして9月24日には、金価格は7月1日時点の水準を回復しています。

金の価格は株式に比べると急激に暴落しにくいといわれています。
株式や債券のような「金融資産」は、発行元の企業や国の信用が落ちたり、倒産したりしてしまうと、急激に価値が下がり、紙切れ同然のようになってしまうことがあります。

いっぽう、金はそれ自体に価値がある「実物資産」です。金は世界中でその価値が認められており、採掘できる量が限られていて希少性が高く、時間が経っても酸化したり腐敗したりすることはありません。このような特徴を持った金の価値が急激に下がり、ゼロになってしまうことは考えにくいでしょう。

金は株式と異なる値動きをするため、ポートフォリオに金を加えておくことで、資産が大きく変動するリスクを抑える期待ができるのです。

金に投資する5つの方法

では、具体的にどうやって金に投資すればいいのでしょうか。5つの方法を簡単に紹介します。

●金地金を購入する
金地金とは、金を保存しやすい形に固めた塊のことで、金の延べ棒やインゴットとも呼ばれます。貴金属メーカーや商社、デパートなどで購入できます。

現物をそのまま手元に置いておけるので、銀行や証券などの金融システムに依存しない資産を持っておきたい方におすすめです。ただし、盗難や偽物には注意しなければなりません。2024年時点で、金の価格は1グラムで1万円を超えています。そのため、金地金の購入にはまとまった資金が必要です。500グラム未満の場合は「バーチャージ」と呼ばれる手数料がかかるなど、購入時手数料が高い点にも注意が必要です。

●金貨を購入する
金でつくられた貨幣のことを金貨といいます。金地金と同様に、貴金属メーカーや商社、デパートなどで購入でき、現物を手元に置いておくことが可能です。

カナダやオーストラリア、アメリカなどの国がさまざまな種類の金貨を発行しており、種類によってデザインは異なります。金貨は単に資産として持つだけでなく、その美しいデザインも楽しむことができます。販売価格は数万円〜数十万円程度となっています。

●純金積立を行う
純金積立は、貴金属メーカーや取り扱いのあるネット証券に口座を開設し、毎月決まった金額ずつ金を購入し積み立てていく方法です。

金地金や金貨を購入するにはある程度まとまった資金が必要ですが、純金積立は貴金属メーカーなら月3000円、ネット証券なら月1000円程度の少額からはじめられるため、初心者にもおすすめです。毎月一定額ずつ購入することで、自然と金の価格が高いときには少しだけ買い、価格が低い時に多く買うことになり、平均の購入単価を下げる効果もあります。基本的に、現物の金を自分で管理するわけではありませんが、まとまった金額を積み立てたら、それを現物の金と交換することもできます。
ただし、純金積立では数%程度の積立手数料がかかることに注意しましょう。

●金投資信託を購入する
金価格と連動して動く投資信託を購入する方法もあります。 新NISAで投資信託をしている方にとっては、金投資信託も同じように購入して管理できるため、便利でなじみやすい方法といえるでしょう。ネット証券であれば、100円から購入可能です。純金積立同様、積立投資でコツコツ買い増すことも手軽です。

もちろん、他の投資信託と同様に保有中の信託報酬がかかります。また、あくまでも金価格に連動した金融商品を購入しているだけですから、金の現物を持つことはできません。

●金ETFを購入する
金価格と連動して動くETF(上場投資信託)を購入する方法もあります。ETFは上場投資信託のことで、株式のようにリアルタイムの市場価格で売買が可能です。

金ETFも保有中に経費がかかりますが、金投資信託と比べると安いのがメリットです。株式投資に慣れている方は、金ETFで金投資をするのもよいでしょう。世界最大の金ETFに「SPDRゴールド・シェア(1326/GLD)」があります。

自分に合った金投資で、暴落のリスクを減らそう

金の特徴や購入方法について説明してきました。手軽に購入しようとすると、純金積立・金投資信託・金ETFがよいでしょう。一方、金地金や金貨にもいつでも見ることができるというメリットがあります。

金は暴落がしにくく、株式と合わせて持つことで、価格変動のリスクを軽減できる資産です。これまで金投資に興味がなかった方も、この機会に金投資を検討してみてはいかがでしょうか。

*本記事で紹介した商品については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。

(執筆:ライター 木下 七夏)

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