AFP・CFPとFP技能士の違いとは?ファイナンシャルプランナー資格を紹介

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AFPやCFPとFP技能士の主な違いとして、民間の資格であるか、国家資格であるかという点が挙げられます。一方で、いずれもファイナンシャルプランナーに関する資格である点は同じです。

本記事では、AFP・CFP・FP技能士の概要や、取得方法についても詳しく解説します。

そもそもファイナンシャルプランナー(FP)とは

一般的に、ファイナンシャルプランナー(FP)とは、FP技能士のようにファイナンシャルプランナー関連の資格を持つ人を指します。

ファイナンシャルプランナーの仕事は、相談者の目標を叶えるために資金計画を策定したり金融商品を提案したりすることです。そのため、ファイナンシャルプランナーには金融・税制・年金制度など家計に関する幅広い知識が求められます。

なお、ファイナンシャルプランナーの勤務先は、銀行・保険会社・証券会社といった金融業界だけでなく、不動産会社や税理士事務所・公認会計士事務所などさまざまです。

FPに関する資格の種類

FPに関する資格は、いくつか種類があります。主な資格は、以下のとおりです。

・1級FP技能士
・2級FP技能士
・3級FP技能士
・AFP(AFFILIATED FINANCIAL PLANNER)
・CFP(CERTIFIED FINANCIAL PLANNER)

ここから、各資格の違いや取得方法などについて確認していきましょう。

FP技能士・AFP・CFPの違い

FP技能士・AFP・CFPの主な違いは、以下のとおりです。

・国家資格か、民間資格か
・難易度

それぞれについて、詳しく解説します。

国家資格・民間資格の違い

FP技能士は国家資格であるのに対し、AFPやCFPは民間資格である点が主な違いとして挙げられます。

FP技能士は、厚生労働大臣より職業能力開発促進法第47条第1項の規定に基づき、指定試験機関が実施する国家検定です。「ファナンシャルプランニング技能検定」に合格した人が、FP技能士(正式名称:ファイナンシャル・プランニング技能士)と名乗れます。

それに対し、AFP資格やCFP資格は、NPO法人である日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、日本FP協会)が認定する資格です。

なお、FP技能士の資格には期限がありません。一方、AFPやCFPには一定の期限が定められており、随時更新の手続きが必要です。

難易度の違い

難易度も、(1級〜3級)FP技能士・AFP・CFPで異なります。

FP技能士は、3級・2級・1級と数字が小さくなるにつれて、難易度が高くなる資格です。また、CFPの認定はAFP認定者でなければ受けられません。そのため、CFPの難易度はAFPよりも高いです。

なお、AFPは2級FP技能検定(2級FP技能士)の難易度、CFPは1級FP技能検定(1級FP技能士)の難易度に相当するという考え方もあります。

FP技能士とはどのような資格?

FP技能士とは、FP技能検定の学科試験と実技試験両方に合格することで得られる資格のことです。ここから、FP技能検定の実施団体や試験の内容について詳しく解説します。

FP技能検定の実施団体

FP技能検定は、厚生労働大臣の指定を受けた日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会(以下、金融財政事情研究会)が実施する試験です。実施団体によって、受験できる実技科目が異なります。

日本FP協会が実施する実技科目は、1級〜3級いずれも「資産設計提案業務」のみです。一方、金融財政事情研究会では、級によって以下の実技科目を実施しています。

・1級〜資産相談業務
・2級〜個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務
・3級〜個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務

なお、日本FP協会では、1級の学科試験を実施していません。

FP技能検定の内容

3級の学科試験は、試験時間90分で実施される試験です(多肢選択式)。60点満点のうち36点以上で、合格基準を満たします。

2級の学科試験は、試験時間120分で実施される試験です(マークシート形式)。60点満点のうち36点以上で、合格基準を満たします。

1級の学科試験は、午前の基礎編150分(マークシート方式)と午後の応用編150分(記述式)で構成される試験です。200点満点のうち120点以上で、合格基準を満たします。

各級学科試験の試験範囲は以下の通りです。

・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続・事業承継

なお、実技試験の内容は各科目によって異なります。

AFPとはどのような資格?

AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)とは、日本FP協会が認定する資格です。

日本FP協会によると、日本では約16万人のAFP資格保持者が活躍しています(2022年3月現在)。ただし、資格を付与されてから2年ごとに資格更新の手続きをしなければなりません。

ここから、AFPを取得するメリットや取得方法について詳しく解説します。

AFPを取得するメリット

AFPを取得するメリットは、顧客と接する際に信頼されやすくなる点です。国家資格である2級FP技能士でなければ取得できないため、資格保持者と伝えることで信頼を高められます。

また、自分自身の知識を常にアップデートできる点もAFP資格を保有するメリットです。AFP資格を持ち続けるためには2年ごとに継続教育を履修しなければならない分、学習を通じて最新の知識を得られます。

そのほか、毎月FPの情報雑誌を読めることや、全国各地にある日本FP協会が実施するセミナー・交流会に参加する機会を得られることなども、取得のメリットです。

AFPの取得方法

AFPを取得するには、2級FP技能検定に合格しなければなりません。AFPを取得するまでの一般的な流れは、以下の通りです。

1. AFP認定研修(基本課程)を修了する
2. 2級FP技能検定に合格する
3. AFP資格の登録手続きを踏む
4. AFP認定を受ける

なお、FPとして2年以上の実務経験がある場合や3級FP技能検定に合格している場合は、2級FP技能検定合格後にAFP認定研修(技能士課程)を修了する、もしくはAFP認定研修(基本課程)の受講中に2級FP技能検定に合格してから「3」以降のステップに進むといったルートを選べます。

CFPとはどのような資格?

CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)も、日本FP協会が認定する資格です。

日本FP協会によると、日本では約2.6万人のCFP資格保持者が活躍しています(2024年2月現在)。AFPと同様に、資格を取得してから2年ごとに資格更新の手続きをしなければなりません。

CFPを取得するメリットや、取得方法について解説します。

CFPを取得するメリット

AFPよりも難易度が高いため、顧客からの信頼を深められる点がCFPを取得するメリットです。また、2024年2月現在、CFP資格は世界25カ国・地域で導入されているため、外国人を相手にビジネスをする際にも信頼を得るきっかけになりえます。

さらに、講演や執筆などの仕事を得る機会が増える点も、CFPを取得するメリットです。登録申請すれば、FP相談や講演・執筆の依頼相手を探す際に使われるCFP認定者検索システムに、自身の情報を掲載できます。

そのほか、AFPと同様に資格更新を通じて知識をアップデートできる点、セミナー交流会に参加する機会を得られる点なども、メリットです。

CFPの取得方法

CFPを取得するためには、AFP認定者でなければなりません。また、以下6科目(課目)すべての資格審査試験に合格することも、CFP認定者になるための条件です。

・金融資産運用設計
・不動産運用設計
・ライフプランニング・リタイアメントプランニング
・リスクと保険
・タックスプランニング
・相続・事業承継設計

合格後にCFPエントリー研修を受講し修了したら、CFPへの登録申請をできます。ただし、申請には通算で3年以上の実務経験が必要です。

要件を不備なく満たしていれば、CFP資格の認定を受けられます。

AFP・CFPとは民間のFP資格のこと

FP技能士は厚生労働大臣の指定を受けた団体が実施する国家試験に合格した人が得られる国家資格であるのに対し、AFPやCFPは日本FP協会が認定する民間の資格です。ただし、AFPを取得するためには、まず2級FP技能士の資格を取得しなければなりません。

顧客からの信頼を得やすくなる点が、AFPやCFPを取得するメリットです。金融や資産運用に関する知識を得て仕事や自身の投資に活かしたいと考えている方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考:NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)「FP資格取得を目指す」
参考:NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)「FPの資格と検定の種類」
参考:一般社団法人 金融財政事情研究会「ファイナンシャル・プランニング技能検定」

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

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