投資信託の分配金について考える

提供元:野村證券(FINTOS!編集部)

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以下の図は預金・債券等の利子と、投資信託の分配金の違いを示したイメージ図です。

預金・債券等の利子と投信の分配金の違い

(注)図はイメージ。利子がつかない一部金融商品等を除く。
(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成

預金・債券等を保有していると、一部の例外を除き、定期的に元本の金額に応じて金利が受け取れます。これは元本に加えてもらえるお金になります。

それでは、投資信託の分配金はどうでしょうか。右の図のように投資信託の分配金は投資信託全体の純資産額の中から捻出され、それを1口あたりいくらといった様に分配する仕組みになっています。

投資信託には様々な種類があります。ただし、投資信託には原則として、年1回以上の決算を行うという決まりがあります。

その決算のタイミングで運用成績に応じて分配金が支払われるかどうかが決まります。分配金が支払われる場合、運用成績が良好だった時は税金のかかる「普通分配金」と、運用成績が振るわなかった時の「元本払戻金(特別分配金)」のどちらかになります。元本払戻金は、その名の通り元本の払戻なので税金はかかりません。

一見、分配金をもらえることは良いことのように見えますが、その分配金が収益を基にした「普通分配金」なのか、元本を切り崩して捻出した「元本払戻金(特別分配金)」なのかをしっかりと把握することが重要です。

下の円グラフは2024年11月12日時点の全投資信託5,471本を決算回数別の割合で示したものになります。

分配金の支払い有無を決める決算回数別の割合

(注)データは2024年11月12日時点。全投資信託数とは、一般社団法人投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」に登録されている ETFおよびMRFを除く投資信託の本数。
(出所)一般社団法人投資信託協会より野村證券投資情報部作成

年1回決算型の投資信託は全体の約6割を占め、次いで年2回が全体の16.5%、毎月決算型の投資信託は全体の16.4%となっており、年1回決算型の投資信託が現在の主流となっています。なお、決算時に毎回分配金が支払われるとは限りません。また、前述のように分配金が出ているから利益が出ているとは限りません。

このような話の流れだと分配金を受け取らないほうがいいと感じるかもしれませんが、大事なのは運用の目的です。

例えば、これから資産を形成していくような方々は分配金を受け取らないほうがいいかもしれませんが、リタイア後にも口座に定期的な入金が欲しい方は分配金を受け取ったほうがいいかもしれません。重要なのは分配金の仕組みを理解した上で、ご自身にあった投資信託を選択するということです。

ご投資にあたっての注意点

著者/ライター
磯崎 博志
野村證券 投資情報部 ストラテジスト
2002年野村證券入社、営業店を経て2019年より投資情報部。2024年からは金融リテラシーに関するコンテンツを作成。
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