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意外とシンプル!

年始に始めたい資産の棚卸し

提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券

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「一年の計は元旦にあり」という言葉があるように、年始は何かを始めたり計画の見直しをしたりするのに最適なタイミングです。資産運用も例外ではなく、年始には棚卸しによる資産状況の確認と資金計画の見直しをしたいものです。

1年に1度は行いたい金融資産の棚卸しとは

金融資産の棚卸しとは、保有する資産の現状を確認する作業をいいます。具体的には、預貯金や有価証券、保険商品の資産残高の洗い出しを行うことです。

金融資産の棚卸しによる定期的な資産状況の確認と運用の見直しは、計画的な資産形成に必要不可欠です。例えば、どのくらいの資金をどのような金融資産で運用すべきかは、自身の年齢やライフステージによって変わります。特に長期で資産運用をするなら、自身の状況の変化に合わせて資産運用も見直していく必要があるのです。

金融資産の棚卸しをするタイミングには、おもに以下の2つが挙げられます。

●ライフステージに変化があったとき
●半年や年に1回など自身が決めた定期的なタイミング

結婚や子供の誕生、マイホーム購入、退職といったライフステージが変化するタイミングには、ぜひ金融資産の棚卸しによる資産運用の見直しを行いましょう。また、生活に大きな変化がない場合でも、半年や年に1回など定期的な棚卸しは行うのがおすすめです。

意外とシンプル!棚卸し方法を確認

ここからは、棚卸しの具体的な方法を解説します。資産の種類ごとに、棚卸しのポイントを確認しましょう。

預貯金

預貯金とは預金や貯金の総称で、銀行などの金融機関に預けた資産のことです。具体的には、普通預金や定期預金、財形貯蓄のほか、日本円ではなく外国の通貨で預金する外貨預金などが該当します。各口座の残高を確認しましょう。

有価証券(株式/債券/投資信託など)

有価証券とは、金融商品取引法に挙げられている証券市場での売買が可能な証券です。具体的には、株式や債券、投資信託などがあります。

有価証券の棚卸しは、時価評価額で計算します。有価証券の時価評価額の計算は原則として、「時価×残高数量」で求めます。例えば、株価が5,000円の株式を200株保有していたとすると、時価評価額は100万円です。時価評価額は自分自身で計算する以外に、取引きをする金融機関の口座情報からも確認できます。

貯蓄型保険

保険商品のなかでも特に貯蓄型保険は、資産の棚卸しの対象です。終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険など、保険料の一部を積み立てられ、解約時や満期時に満期保険金や解約返戻金(かいやくへんれいきん)などが受け取れる商品が該当します。

貯蓄型保険の棚卸しには、解約返戻金相当額を用います。解約返戻金相当額は保険商品を解約した際に返ってくるお金で、契約する保険会社にて確認できます。なお、解約返戻金額はすでに払い込んだ保険料と同額ではありません。解約のタイミングによっては、払い込んだ保険料よりも少ない金額になることは押さえておきましょう。

棚卸しでわかる大事な2つのこと

金融資産の棚卸しによってわかる大事なことは、「投資資産の現時点の損益状況」と「資金計画と現状のギャップ」です。

投資資産の現時点の損益状況を把握する

棚卸しをすると、投資資産の現時点の損益状況を知ることができます。将来に向けた資産形成のため、5年や10年といった長期間で運用していくと、投資によりどのくらいの損益が出ているのかを管理、把握し続けるのが難しくなることもあるでしょう。定期的に棚卸しをすることで現状の損益状況を把握し、各資産の運用成績を知ることが棚卸しの大きな役割の1つです。

資金計画と現状のギャップを知る

先述のとおり、棚卸しをすれば現在の資産状況を把握できます。棚卸しをさらに効果的なものにするには、資金計画と照らし合わせてどのくらい達成できているかを確認しましょう。

投資を始めるにあたって、「何年後にどのくらいの資産を形成したい」といった目標を立てている人も多いでしょう。しかし、株や債券、投資信託といった有価証券は値動きがあるため、期待どおりに実績が得られるとは限りません。定期的な棚卸しによる資金計画の見直しを行うことで、目標に向けた効率的な資産運用の実現につながります。

資産配分の見直しを考える

棚卸しによって現状が把握できたら、資産配分の見直しを考えましょう。資産には、「流動性」、「安全性」、「収益性」といった3つの性質があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

●流動性:資産の現金化のしやすさのこと。預貯金は流動性が高く、有価証券は流動性が低い。
●安全性:資産が減る可能性の高さのこと。預貯金は安全性が高く、有価証券は種類によって安全性が低いものもある。
●収益性:どのくらいのリターンを期待できるかのこと。預貯金は収益性が低く、有価証券は期待リターンが高いとされる。

すぐに使える資金が心もとないと感じるなら、流動性や安全性が高い資産の割合を増やしましょう。反対に、使い道が決まっていない余裕資金が増えてきたと感じたら、収益性が高い資産への配分を増やすとよいでしょう。なお、資産によってどのような資金を振り分けるべきかは以下のように考えられます。

預貯金に振り分けるとよいとされる資金

預貯金に振り分けるとよい資金は、日々の生活費や緊急時に利用するための資金です。2024年11月18日時点の都市銀行における定期預金金利は0.125%であり、収益性は高くありません。一方、流動性は高く、必要なときにいつでも現金で引き出すことができます。ケガや病気といった不測の事態への備えや、冠婚葬祭用の資金は預貯金で用意しましょう。

有価証券に振り分けるとよいとされる資金

有価証券に振り分けるとよい資金は、すぐ使う予定がない老後資金などです。有価証券は預貯金と比較し収益性は高いですが、流動性や安全性は低い傾向があります。そのため、じっくりと値動きを見ながら売買できる資金を充てましょう。

貯蓄型保険に振り分けるとよいとされる資金

貯蓄型保険に振り分けるとよい資金は、中長期で運用できる資金です。また、保険商品の場合、学資保険や個人年金保険など利用目的がはっきりしているものもあります。使い道が決まっているものの、中長期で投資ができる資金を運用するなら、貯蓄型保険も選択肢となるでしょう。

資産の棚卸しは資金計画の見直しに欠かせない作業

資産の棚卸しは、資産の現状を把握し資金計画を見直すのに欠かせない作業です。預貯金はもちろん、有価証券や貯蓄型保険の時価評価額も確認することで、より計画的で効率的な資産運用を目指すことができます。

生活費や緊急時に備える資金は、預貯金で用意しましょう。短期的に使う予定のない資金は、有価証券や貯蓄型保険で運用することで、資産の増加を目指せます。どの資産にどのくらいの資金を振り分けるかといった配分は、棚卸しのタイミングで見直すことが重要です。

資産の棚卸しはライフステージに変化があった場合だけでなく、半年や1年に1回など定期的に行う必要があります。年始や年度始めに棚卸しを行い、将来に向けた資産運用について考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。

(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)

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