かぶオプコラム
株式投資の新しいカタチ「かぶオプ」
歴史的な株高や新NISAのスタートが後押しとなってか、2023年度末時点の日本の個人株主数は前年度から462万人増え、過去最多の延べ7,445万人を記録しました(東京証券取引所の「株式分布状況調査」より)。この記録は10年連続で前年度を上回っているようで、2024年度も残りあと少し、引き続きこの傾向が続くのでしょうか。
個人株主が増えているということはそれだけ、株式投資にまつわる成功体験だけなく、失敗談が話題になる機会も増えているはず。ベテラン投資家の方にも、新NISAでデビューしたばかりの投資初心者の方にも、株式投資のお悩みに効く新しい投資手法である「かぶオプ」もぜひご活用ください。
誰もが持つ株式投資のお悩みに効く「かぶオプ」
株式投資をしていると誰しも経験したことのある失敗談や悩みがあるはずです。そして、その時にかぶオプを知っていたら、失敗せずに済んだパターンも。投資家にとっての代表的なお悩みと、かぶオプを使ったその対策をいくつかご紹介します。
お悩みその1:保有株の売り時を逃してしまい、株価は下落し塩漬けになっている
○○○円になったら売ろうと思っていたのに、なかなかその値段まで上がらないどころか、あとちょっとのところで急落。その後もあれよあれよと下落相場をたどり、もはや含み損が出るほどの水準に。そして、塩漬け株になっている株はありませんか?
保有株にかぶオプのコールの売りを合わせたカバードコール戦略なら、定期的にオプション料という第三の収益を得ることができる上に、「この価格なら売ってもいいかな」と思える株価で売却することもできます。
お悩みその2:買いたい株が急騰してしまい、株価が下がるまで待つしかない
○○○円まで下がってきたら、買おうと思っていた銘柄が、なかなか下がらないどころか反発。買うタイミングを逃してしまい、その後の上昇相場を見ながら悔しい思いをしたことはないでしょうか?
かぶオプのプット売りを使ったターゲットバイイング戦略なら、実質的には「この価格なら買いたい」と思える株価に、指値をしている状況を作りながら、オプション料という第三の収益を得ることができます。そのオプション料の分、通常の指値よりもちょっとお得に買いたい株を買うことができる戦略です。
お悩みその3:保有株の急落が怖い
大きな経済イベントが控えており、結果によっては保有している株が急落したらどうしようと不安になることはないでしょうか?
保有株のかぶオプのプットを買うことで、市場価格がいくらになっていても、購入したプットオプションの権利行使価格で売ることができるという保険的な使い方ができます。オプション料が安い時に買っておけば、少ない保険料で安心を手に入れられます。
なぜ今こそ「かぶオプ」なのか?
こんなに便利なかぶオプなのに、なぜ今まで、あまり話題にならなかったのでしょうか??
個別株を対象とした日本で唯一の上場デリバティブである「かぶオプ」は1997年に、当時の大阪証券取引所及び東京証券取引所に同時に上場(その後、2014年に大阪証券取引所と東京証券取引所のデリバティブ市場統合後は、大阪取引所での取引に一本化され現在に至ります。)してから、もうすぐ30年になろうとしています。あれ?全然新しくはないですね。
昨今の日本株市場の盛り上がりとともに、国内外の投資家の注目を集めている商品でもあり、近年取引高が増加傾向です。下のグラフはかぶオプの取引高の推移であり、2023年に過去最高を更新しています。個人投資家の中でもかぶオプの魅力や利用価値に気がついている人は、すでに積極的に活用しています。
さらに、今こそ、多くの個人投資家の皆様にもかぶオプに注目してほしい理由が3つあります。
理由その1:お取引できる証券会社が増えています
すでにかぶオプのお取扱いがある「インタラクティブ・ブローカーズ証券」、「光世証券」に加え、2024年11月からは「moomoo証券」でもかぶオプのお取引ができるようになり、投資家の皆様にとっては、利用できる証券会社の選択肢が増えています。
理由その2:特定の銘柄を中心に常時気配(注文)が出ています
かぶオプ市場には「マーケットメイカー」と呼ばれる継続的に売り注文・買い注文を提示している専門業者がおり、2024年9月から、下表のETFや株式のかぶオプ銘柄を中心に、常時、売り注文/買い注文を出し続けています。
コード | 銘柄 | コード | 銘柄 |
1306 | NFTOPIX | 8035 | 東京エレクトロン |
1321 | NF日経225 | 8058 | 三菱商事 |
5401 | 日本製鉄 | 8306 | 三菱UFJFG |
6920 | レーザーテック | 9101 | 日本郵船 |
7203 | トヨタ自動車 | 9983 | ファーストリテイリング |
7974 | 任天堂 | 9984 | ソフトバンクグループ |
それまでは、かぶオプの利便性を理解していても、そもそも注文がないので、買いたい時に買えない/売りたい時に売れない、事実上、使えない状態だったのが、今秋から市場環境が一変しています。
理由その3:取引時間が30分長くなりました
2024年11月5日より、東証株式市場の取引終了時刻が15:00ではなく15:30までに延伸されました。それに合わせて、かぶオプの取引時間も30分長くなり、取引機会が増えています。
<現在のかぶオプの取引時間>
9:00~11:35、12:30~15:45
<参考:2024年11月5日より前のかぶオプの取引時間>
9:00~11:35、12:30~15:15
以上のように、この秋、実用性が増したかぶオプが、皆様の株式投資にプラスになるようであれば、今こそかぶオプ活用も検討すべき絶好の機会です。かぶオプについて、さらに詳しく知りたい方はこちらのページもご参照ください。