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投資信託のトレンドが分かる!

2024年11月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2024年11月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「前月を上回る資金流入超」

資金流出入額は約7,610億円の流入超と、前月(約6,060億円の流入超)を上回った。2024年前半の水準(1兆円~1.5兆円程度)との比較では減少傾向にあるものの、4ヵ月振りに前月対比で流入額が増加した。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、「外国株式型」(約7,660億円)、「複合資産型」(約570億円)、「その他」(約190億円)となった。前月からの流入額の増加分のほとんどを「外国株式型」が占める状況が継続している。

資産別の資金流出では、流出額の大きい順に、「エマージング株式型」(▲約320億円)、「不動産投信型」(▲約250億円)、「外国債券型」(▲約170億円)となった。「エマージング株式型」のうち特にインド株式ファンドの流出が目立ったが、インドの主要株価指数であるSENSEXが10月以降低調であることから、利益確定の売り等が出たものと考えられる。

個別ファンドでは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ)(約1,680億円)が1位となった。2位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ)(約1,580億円)、次いで3位には「アライアンスB・米国成長株投信 D」(アライアンス)(約1,020億円)がランクインした。前月から1位と2位が入れ替わり、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は純資産額(約6兆350億円)と流出入額で1位となった。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「円ベースでは外国株式のみ上昇」

11月の金融市場は、海外資産は上昇したものの、円高・ドル安の進行により円ベースでは外国株式のみがプラスとなった。このほか、米国長期金利の上昇や中東での停戦合意報道を受け、金価格は下落した。

株式市場は、外国株式は上昇、国内株式は下落した。11月の米国株式は、月上旬は米大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで減税などの政策期待が高まり、上昇した。月中旬は米連邦準備理事会(FRB)の高官が利下げを急がない姿勢を示したことなどから、株価は上昇幅を縮めた。月下旬は米国金利低下から上昇に転じ、NYダウやS&P500指数は史上最高値を更新した。

欧州株式は、月前半は米国による中国等への関税引き上げや、ロシアによる核兵器使用基準の緩和に伴う地政学リスクのさらなる高まりなどが懸念され、下落した。月後半は、ユーロ圏の経済指標の悪化を受けて欧州中央銀行(ECB)が利下げペースを拡大するとの期待が高まり、株価は上昇に転じた。

日本株式は、月上旬はトランプ次期大統領の政策への期待の高まりから米国株式が上昇したことや、米国金利上昇に伴う円安・ドル高の影響により、上昇した。月中旬は米国による半導体の輸出規制強化など対中国への強硬姿勢を強める懸念が高まったことや、米国金利上昇に伴うハイテク株下落の影響を受け、下落した。月下旬は政府が39兆円規模の総合経済対策を閣議決定したことや米国株高を受けて上昇する場面もあったが、米国が中国に加えてカナダやメキシコの関税強化を表明したことで上値が抑えられ、ほぼ横ばいで推移した。

債券市場は、米国金利は低下、国内金利は上昇した。米国10年国債利回りは、月前半は米大統領選挙において共和党が完勝し、財政拡大が意識されたことや、米連邦準備理事会(FRB)が今後の利下げについて慎重に判断する方針を示したことで、上昇した。月後半は、次期米財務長官に財政規律を重視するとされる人物が指名されたこと等により低下し、月間では0.1%ほど低下した。

日本10年国債利回りは、月上旬は米国金利上昇につられたことや、円安・ドル高の進行によって日銀の追加利上げ観測が拡大したことなどにより、上昇した。月中旬は日本銀行総裁が利上げ継続の方針を示したこと等の影響で、一時1.1%台まで上昇した。月下旬は米国金利低下に伴い、上昇幅を縮めた。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円高が進行した。米ドル・円は、月前半は米大統領選で勝利したトランプ氏の財政拡大が意識されて米国金利が上昇し、円安・ドル高が進行した。月後半は、次期米財務長官の人事を受けた米国金利の低下や日銀の追加利上げ観測の高まりから、円高・ドル安に反転した。

ユーロ・円は月間を通して円高・ユーロ安が進行した。月上旬はトランプ次期大統領の財政拡大観測によるドル高の煽りを受け、ユーロ安が進行した。月中旬はロシア・ウクライナ間の緊迫感が高まり、ユーロ安が続いた。月下旬は景気懸念からECBの大幅利下げ観測が高まり、一段とユーロ安が進行した。

これらを背景に、当月は外国株式以外の資産が円ベースで下落した。外国株式は米国の主要株価指標が最高値を更新するなど堅調であったが、円高・ドル安の進行により円ベースでの上昇幅は抑えられた。また、9月頃から上昇が続いていた金も、米国長期金利の上昇や中東での停戦合意報道を受け、下落に転じた。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに減少」

当月の新規設定は18本と前月(30本)から減少し、設定額も約250億円と前月(約770億円)から減少した。

新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かったのは、「ウエリントン・トータル・リターン債券ファンド(年1回・ヘッジなし)」(AM-One)(約58億円)、次いで「フォントベル・世界割安債券ファンド(ヘッジなし/年1回決算型)」(三井住友DS)(約42億円)となった。

1位のウエリントン・トータル・リターン債券ファンド(年1回・ヘッジなし)は、ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピーが運用を行い、クーポンだけでなく債券価格の上昇を含めたトータルリターンの期待値が高いと思われる、米ドル建ての国債、社債、ハイイールド債、新興国債券に投資する。2位のフォントベル・世界割安債券ファンド(ヘッジなし/年1回決算型)は、フォントベル・アセット・マネジメントが運用を行い、一般的な国債、社債に加え、ハイブリッド証券、転換社債、資産担保証券等から、割安かつ魅力的なリターンが期待できる債券に投資する。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、11月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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