相次ぐ利上げで気になる金利

定期預金の中途解約は損?金利上昇中の今、高利率に預け替えたほうがよいのか

提供元:Mocha(モカ)

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金利の上昇局面を迎え、定期預金の金利チェックにも熱が入る今日この頃、大手都市銀やネット銀行の金利から目が離せません。
しばらく使う予定のない資金があれば、少しでも有利に運用しておきたいものです。定期預金なら普通預金より金利が高いので、とりあえずの預け先としても安心です。

しかし、資金をすでに定期預金にしていて、もっと高い金利の定期預金を見つけたら、預け替えたほうがオトクなのでしょうか。

定期預金を引き出す3つの手続き

定期預金を引き出す手続きには、大きく分けて次の3つがあります。

●定期預金を引き出す手続き1:中途解約

中途解約は、あらかじめ決められた満期を迎える前に資金を引き出す手続きです。
定期預金は、資金を一定期間は引き出さない代わりに、金利が高く設定されています。
ですから、もし満期までの一定期間が来る前に解約したら、当初の金利よりも低い利率になるケースがほとんどです。
とはいえ元本保証はされています。また、普通預金金利より低くなることはないとしている金融機関も多いので、解約されるまで普通預金に預けていたようなものと考えられるでしょう。

中途解約の手続きは、銀行の窓口、インターネットバンキングで行います。また、金融機関によってはATMで行うことも可能です。

●定期預金を引き出す手続き2:満期解約

満期解約は、定期預金が満期を迎えたタイミングで解約する手続きです。
定期預金を始めたときに、自動解約型で契約していたら、満期になると元本と利息分が指定した普通預金口座に入金されます。

金利は、当初の金利が適用されますが、税金分は差し引かれます。解約時の手続きは特に必要ありません。

●定期預金を引き出す手続き3:解約予約

解約予約は、自動継続型になっている定期預金を満期日に解約する手続きです。

定期預金を始めたときに、自動継続型で契約していたら、満期になると同じ条件で新たに定期預金がスタートします。
満期のタイミングで解約する希望があるなら、事前に満期日に解約する予約をしておきます。

解約予約をすると、満期解約型になります。
手続きは、銀行の窓口、インターネットバンキング、金融機関によってはATMで行うことも可能です。

定期預金の預け替えはトク?

預け替える前の定期預金を、満期解約・解約予約によって解約する場合には、定期預金の高い金利が適用されています。
そのため、その定期預金のメリットはしっかり得ています。
そのうえで、さらに高い金利の定期預金に預けるのであれば、有利に運用できます。
満期解約・解約予約をする場合には、解約前に次の預け先を選んでおくことがポイント。解約後、すぐに預け替えれば、運用する日数を無駄なく活用できます。

ただし、中途解約の場合には注意が必要です。
中途解約をしたら、それまでの預け入れ期間は普通預金金利と同程度しかつきません。
そのため、預け替え後の利率が高く、また預け入れ期間も状況に合っているのでなければ、かえって損をしてしまいます。

たとえば、100万円を金利0.5%の定期預金1年ものに預けたとします。
この定期預金で、1年後の満期に得られる利息は5000円です(税引前、以下同じ)。

100万円×0.5%=5000円

しかし、定期預金がスタートして半年後に金利0.8%の定期預金1年ものを見つけたので、0.5%の定期預金は中途解約して預け替えたとします。
最初に預けた定期預金では、中途解約では普通預金と同じ金利(0.1%)になるとしたら、受け取れる利息は500円に減ってしまいます。

その後の半年は金利0.8%になったとはいえ、利息は半年で4000円です。
合計で4500円ですから、0.5%で1年間預けておいたほうがいい計算です。

【0.5%で1年間預けた場合】
100万円×0.5%=5000円

【上の例で預け替えた場合】
100万円×0.1%×(6カ月÷12カ月)=500円
100万円×0.8%×(6カ月÷12カ月)=4000円
500円+4000円=4500円

しかも、金利0.8%の定期預金が1年ものだった場合には、半年後で中途解約したら金利が下がりますので、さらに損が大きくなります。半年後に中途解約せず、1年間預けておけばもう4000円受け取れる計算ですが、金利上昇時代ですから、1年後にはもっと金利の高い定期預金が出ているかもしれません。

金利差が大きければトクになることも

資金の運用は、利率と期間でメリット・デメリットを考えます。
上の例で、もし半年後に見つけた定期預金が「1%の6カ月もの」だったら、預け替えたほうがトクになります。

はじめの半年は金利0.1%で再計算して、利息は500円。
その後の半年は、金利1.0%で、利息は5000円。
合計で5500円ですから、0.5%で1年間預けておくよりも、1000円増やせます。

【上の例で預け替えた場合】
100万円×0.1%×(6カ月÷12カ月)=500円
100万円×1.0%×(6カ月÷12カ月)=5000円
500円+5000円=5500円

既に預けている定期預金があり、もっと高い金利の商品を見つけたら、まずはシミュレーションをしてみましょう。
損になってしまっては、本末転倒。高い金利の定期預金を見つけたからといって、すぐに中途解約して飛びつくのは、避けた方がよさそうです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー タケイ啓子]

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