2026年10月に壁が撤廃されたらどうなる?
社会保険加入ライン「106万円の壁」撤廃がもたらす影響とは
今後は「自立して働く心積もり」が大事
「106万円の壁」は撤廃の方向で検討されている一方、所得税発生のラインである「103万円の壁」は引き上げの議論が行われている。真逆の動きを見せているが、今後はどのようになっていくのだろうか。
「少子高齢化によって社会保険料も税金も納める人が減っていくことが予想されるので、『103万円の壁』をはじめとする税金の壁も、いずれは『106万円の壁』のように撤廃されるかもしれません。もちろん『103万円の壁』が引き上げられて、そのまま維持する可能性もないとはいえませんが、万が一撤廃されたときのために、国や家族に養ってもらうのではなく自立して働く、という心積もりは必要だと思います」
「○○万円の壁」を意識して働く時間を減らしている、いわゆる“働き控え”をしている人は、今後の働き方を考える岐路に立たされているともいえるだろう。
「もし、働く時間も体力もあるのに、『○○万円の壁』の壁を気にしたり家事をしたりするために働き控えをするのは、社会にとっても家計にとってももったいないことです。『106万円の壁』が撤廃されて、社会保険料を納めることになるのであれば、思い切ってできる限り働いたほうがいいので、いまはそのための準備期間と考えて働く時間や場所を検討してみましょう」
最後に川部さんは、「国には、ただ壁を撤廃するだけでなく、働きたくても働けない人への支援も検討してほしい」と話してくれた。
「本人や家族の病気や障害、子育て、親や祖父母の介護などの理由で働きたくても働けず、結果的に『106万円の壁』に収まっている人もいます。その方々は今後も社会保険の加入を免除したり、扶養控除に代わる控除を受けられるようにしたりといった措置があってもいいと思います。一律で変えるのではなく、理由があって働けない人に合わせて柔軟に対応できる制度をつくってほしいですね」
既に撤廃の方向で動いている「106万円の壁」。「103万円の壁」が引き上げられることと併せて総合的に考え、働き方を見つめ直すときが来ているといえるだろう。
(取材・文/有竹亮介)