定年後に考えておくべき「お金」のポイント

定年後働き続けるなら、絶対に押さえておくべき「5つのお金」

提供元:Mocha(モカ)

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定年後に考えておくべきお金3:雇用保険で得られる「3つの給付金」を知る

定年後も働くなら、雇用保険の給付金を活用しましょう。
雇用保険の加入要件は以下の2つです。

・1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること
・雇用見込み31日以上であること

雇用保険に加入し条件を満たせば、以下に挙げる給付金を受け取ることも可能です。

●高年齢雇用継続給付金(60歳〜65歳限定)
失業給付を受け取っていない人は「高年齢雇用継続基本給付金」(最長5年間)、失業給付を受け取っている間に再就職した人は「高年齢再就職給付金」(最長2年間)が給付されます。

高年齢雇用継続給付金は、60歳以降の賃金が60歳時点の75%未満になった場合、賃金の15%を限度として給付されます。たとえば、月給25万円(60%に低下後)の場合、月3万7500円が支給され、5年間で最大225万円の支援が受けられます。
ただし、2025年4月1日から、高年齢雇用継続給付の支給率は賃金の15%から「10%」に引き下げられます。月給25万円(60%に低下後)の場合、月2万5000円になります。

●高年齢求職者給付金(65歳以上)
失業給付が受け取れるのは64歳まで。65歳からは失業給付ではなく高年齢求職者給付金が受け取れます。 65歳以上が失業した場合、雇用保険の被保険者期間が1年未満(65歳で失業した場合)であれば、賃金日額の30日分。1年以上(66歳以降に失業した場合)であれば50日分の給付金が支払われます。

●教育訓練給付金
所定の教育訓練を受けるともらえるのが教育訓練給付金。教育訓練給付金の対象となる教育訓練には、そのレベル等に応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類があります。どれに該当するかでもらえる金額が変わります。たとえば、一般教育訓練であれば、資格取得のために支払った費用の20%、最大10万円が受け取れます。

定年後に考えておくべきお金4:「老齢年金」を繰り下げる

老齢年金の受け取り開始を遅らせる(繰り下げる)と、1か月ごとに年金額が0.7%増額されます。たとえば、70歳まで繰り下げると、「0.7% × 60か月(5年間)=42%」、75歳まで繰り下げると、「0.7% × 120か月(10年間)=84%」が増額となります。

繰り下げ受給は、老齢基礎年金(国民年金)、老齢厚生年金(厚生年金)のどちらも対象となります。ただ、両方の年金を繰り下げるのは、なかなか難しいという場合は、「一方だけ」繰り下げることができます。たとえば、老齢基礎年金を繰り下げて、老齢厚生年金だけを65歳から受け取るなどが考えられます。

もし65歳以降も厚生年金に加入して働き、その際、老齢厚生年金だけを受け取るのであれば「在職定時改定」により、働いた期間分が年金額に毎年上乗せされます。
在職定時改定とは、毎年9月1日の基準日ごとに、前年9月から当年8月までの被保険者期間分が算入され、翌月となる10月分の年金(支給月は12月)から増額された年金が受取れる制度です。

定年後に考えておくべきお金5:「もらえる給付金・補助金」はないか調べる

老後は、雇用保険以外にも受け取れるお金があります。知らないと損をするため、事前に確認しておきましょう。もらえる可能性がある給付金・補助金は、以下のとおりです。

●年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金は、公的年金の収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金受給者を対象にした給付金です。年金に上乗せして支給されます(最大月5,000円程度)。

●自治体のシニア向け補助金
シニア向けの補助金にはさまざまなものがあります。

・補聴器購入の補助
65歳以上のシニアに補聴器が必要になった場合、その購入費用の一部を負担する制度。

・入浴補助券の発行
65歳以上のシニアに対して、公衆浴場を無料または安い料金で利用できる制度。

・タクシー料金助成制度
高齢者が気軽に外出できるよう、タクシーの利用料金を補助する制度。都市に在住の場合は、民営バスや地下鉄などの乗車の補助を設けていることもあります。

これらの補助金を受けるには、自己申請が必要な場合が多くあります。お住まいの自治体ホームページで確認してみましょう。

安心できる老後生活のためにお金のことを考えておこう

老後は「長く・無理なく・楽しく」働くのが大切です。無理のないペースで収入を確保し、制度を上手に活用して、安心できる老後生活を目指しましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 舟本 美子]

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