信用スコアとは?中国・米国における活用事例や日本の状況も紹介
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信用スコアのデメリットとは?
信用スコアの主なデメリットは、以下の通りです。
・特定のサービスを利用できる人とできない人が生まれうる
・信用スコアの結果に国民の生活が縛られる可能性がある
それぞれ解説します。
特定のサービスを利用できる人とできない人が生まれうる
特定のサービスを利用できる人とできない人の格差拡大を助長しかねない点が、信用スコアを導入することのデメリットです。
信用スコアが普及し、事業者が信用スコアに過度に依存するようになると、信用スコアが高い人には積極的に特典をつけてでも取引を望む一方で、信用スコアが低い人との取引は避けるようになる可能性があります。その結果、サービスを利用できず不便な思いをする人が出てくるでしょう。
信用スコアの結果に国民の生活が縛られる可能性がある
信用スコアの結果に、国民の生活が縛られる可能性がある点もデメリットです。
信用スコアは、学歴や資産などを参考にして算出されることがあります。その場合、国民は信用スコアを上げることを常に意識しながら生活しなければいけなくなるでしょう。
また、信用スコアの算出過程が明確でなければ、スコアにまつわる噂などを気にして、自由に生活できなくなる可能性もあります。
日本における信用スコアの状況
ここから、日本企業が提供する信用スコア関連のサービスや、CICが新たに提供を始めた「クレジット・ガイダンス」について解説します。
日本企業が提供するサービス
総務省は「令和2年版 情報通信白書」で日本におけるスコアリングサービスとして、以下を紹介しています。
・AIスコア
・SXスコア
・LINE Score
・Yahoo!スコア
・ドコモスコアリング
しかし、Yahoo!スコア(2020年8月31日で提供終了)やJ.Scoreが提供していたAIスコア(2023年1月31日で提供終了)のようにすでに撤退しているサービスもあり、中国や米国に比べると信用スコアが普及しているとは言い難いです。
CICが提供する「クレジット・ガイダンス」
指定信用情報機関のひとつである株式会社シー・アイ・シー(以下、CIC)は、2024年11月28日より「クレジット・ガイダンス」の提供を開始しました。クレジット・ガイダンスとは、CICが保有する信用情報を分析して算出した指数とその算出の根拠を加盟企業や消費者に提供するサービスのことです。
今まで自分がローンやクレジットカードを利用できない理由がわからなかった人も、今後はクレジット・ガイダンスを請求することにより参考にできる可能性があります。
参考:総務省「令和2年版情報通信白書 第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」
参考:CIC「情報開示とは」
信用スコアとは個人の信用を数字に表したもの
信用スコアとは、AIや機械学習を用いて性別・年齢・職業・購買行動・SNSの使用履歴などを分析し、数値化した指標を指すことが一般的です。中国や米国では、すでに一部の事業者が信用スコアを用いた取引を進めています。
信用スコアのメリットは、利用者が審査結果に納得しやすくなることや、特典を受けられる場合があることです。一方で、信用スコアが低い人が特定のサービスを利用できなくなることがある点がデメリットとして挙げられます。
日本でも普及するとさまざまな取引に影響を及ぼす可能性があるため、信用スコアの今後の動向に注目しましょう。
ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。