乙武先生!金融教育、見にきてください ユニコーンラボ後編
乙武洋匡が聞く、ビジコンから生まれた“資本主義”教育ツール「ユニコーンラボ」の現在地
現在も受注から1カ月待ちの大反響
乙武 それにしても、このキットを1から作り上げるのは大変だったでしょう。たとえば土台のワゴンや水耕栽培用の容器などは、どのように製造しているんですか?
永野 ワゴンは実は既製品で、現在はニトリさんと提携しています。水受けのプラスチック容器やカーテンは特注で、それぞれ最初は工場に直談判して試作していただくことから始めました。
乙武 その行動力が素晴らしい。ちなみにカーテンは色を選べるんですか?
永野 はい、ピンクとブルーの2色を用意しています。ユーザーの男女比が半々なので、なんとなくこの2色を均等に発注したのですが、意外と女の子でもブルーを好む子どもが多かったのは誤算でした。
乙武 女の子だからといって、ピンクを求めるわけじゃないんですね。まだ20代前半の永野さんの感覚とも、すでにいまの子どもの感覚と乖離があるというのは、ちょっと興味深いです。
永野 そうなんですよ。いまのランドセルの一番人気カラーがパープルと聞いて、すごく驚きました(笑)。
乙武 ちなみに初回生産分が瞬時に売り切れた「ユニコーンラボ」ですが、その後の量産は進んでいるんですか?
永野 まだまだ品薄で、いまも受注から1カ月待ちの状態が続いていますが、どうにか生産体制を整えたいと頑張っているところです。
乙武 一方でビジネスモデル的には、一度購入したお客さんからのリピートを見込みにくい側面がありますよね。そうそう故障する仕組みでもないでしょうし。
永野 それが、1台購入した方がもう1台買って“増築”するパターンも意外と多いんです。上のお子さんが使っているのを見て、下のお子さんも欲しがるケースもありますし。
乙武 なるほど、たしかにそういう波及効果はありそうですね。それに、経営的な目線で見れば、栽培する面積が大きくなってもそこまでコストは変わりませんから、より儲かることになります。小学校低学年くらいで自らそのロジックに気づく子がいるなら、将来有望ですよね。
永野 そういう自然な気づきのきっかけになれば、私も嬉しいです。