意外と高い?
後期高齢者医療制度の保険料は月額いくらか
提供元:Mocha(モカ)
「国民皆保険」制度のもと、すべての日本国民は何かしらの公的医療保険制度に加入しています。75歳以上(および一定の障害がある65歳以上74歳未満)の人もまた、「後期高齢者医療制度」に加入して保険料を納めていますが、その保険料は都道府県によって異なることをご存じでしょうか。そこで今回は、後期高齢者医療保険料の全国平均と都道府県間の違い、また2025年度さらに値上がりする背景を解説します。
後期高齢者医療制度に加入で何が変わる?
75歳以上の1人あたり医療費(2023年度概算)は、75歳未満の平均(25.2万円)の約4倍にあたる96.5万円。75歳を迎えて後期高齢者医療制度に加入することによる一番の変化は、病院等の窓口で実際に支払う際の自己負担割合です。6歳(義務教育就学前)未満が2割、70歳未満は3割、70歳から74歳は原則2割であるのに対して、75歳以上は原則1割と低く抑えられています。3割となる現役並み所得者に加えて、一定以上所得のある人は2022年10月から2割に引き上げられましたが、その判定基準は次の図のとおりです。
<後期高齢者医療制度における窓口負担割合>
「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」より
後期高齢者医療保険料はどう決まる?
窓口負担以外の部分を賄うために必要な財源の一つが、後期高齢者医療制度の加入者全員が納める保険料です。公的年金の受給額が18万円以上の人は、原則として年金からの天引き(特別徴収)される形で、住んでいる市区町村に納付されます。
●後期高齢者医療保険料は「均等割額」と「所得割額」の2つで構成
後期高齢者医療保険料は、すべての被保険者が負担する「均等割額」と、被保険者の所得に応じて負担する「所得割額」で構成されており、見直しは2年ごとです。
【後期高齢者医療保険料(年額)の計算式】
保険料(年額)=均等割額+所得割額(※)
(※)所得割額=(前年中の総所得金額等-基礎控除額)× 所得割率
公的年金等の収入金額が330万円未満の人は、110万円の公的年金等控除を差し引いた後の金額が総所得金額となります。収入が年金のみで153万円以下であれば、「(153万円-110万円)-住民税の基礎控除43万円=0万円」となり、所得割は発生しません。
●後期高齢者医療保険料は「都道府県」単位で設定
2025年度における月額保険料は、厚生年金受給者の標準的な年金額(年金収入195万円)の場合には全国平均で5,673円。しかし、最も高い福岡県(月6,641円)と最も安い岩手県(月4,808円)では、月1,833円(年21,996円)の開きがある点に注目です。
<2024・2025年度の保険料率(都道府県別)>
「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」より筆者作成
後期高齢者医療制度は、各都道府県に設けられた「後期高齢者医療広域連合」を保険者として、都道府県単位で財政および運営責任が明確化されています。したがって、保険料もまた、住んでいる地域の医療費水準等に基づいて決められているのです。
なお、後期高齢者医療制度の被保険者一人当たりの全国平均の保険料額は2024年度に7,082円とはじめて7,000円の大台を突破する見込み。さらに2025年度は7,192円となる見込みが示されています。
後期高齢者医療保険料に軽減措置はあるの?
後期高齢者医療制度における一人当たりの年間保険料額は、制度が創設された2008年度から2025年度にかけて約23,000円増加しました。老後の暮らしにおける負担は増す一方ですが、軽減措置が設けられているので確認しましょう。
<後期高齢者医療保険料の推移(2008~2025年度)>
●低所得世帯に対する均等割額の軽減措置
同一世帯の被保険者および世帯主(被保険者でない人も含む)の所得金額の合計額が、基準額を下回る場合、その所得額に応じて均等割額が2~7割軽減されます。
<均等割額の軽減措置(例:東京都)>
「年金・給与所得者の数」とは、同一世帯の被保険者と世帯主のうち、給与収入額が55万円(※)を超えている人、または公的年金等の収入額が125万円を超えている人(65歳未満は60万円超)の数です。65歳以上の公的年金受給者の総所得金額等は、年金所得の範囲内で最大15万円が控除されたうえで、軽減判定が行われます。
(※)給与所得控除の最低額を10万円引き上げる「令和7年度税制改正」によって、65万円となる見通しです(2025年3月12日時点)。
●被用者保険の被扶養者であった人に対する軽減措置
75歳の誕生日を迎える前日まで(会社の健康保険など)被用者保険の被扶養者だった人には、所得割額はかかりません。均等割額についても、加入から2年間を経過する月まで、5割軽減の対象です。なお、低所得世帯に対する均等割額の軽減に該当している場合には、軽減割合の高い方が適用されます。
●所得割額の軽減(東京都の独自措置)
低所得世帯に対する均等割額の軽減措置や、元被扶養者に対する軽減措置は、法律で定められている措置です。これらに加えて、東京都(東京都後期高齢者医療広域連合)のように、所得割額を50%または25%軽減するといった独自の措置が設けられている場合もあります。
<所得割額の軽減対象と軽減割合(東京都)>
「保険料の決め方・賦課」より筆者作成
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