意外と高い?

後期高齢者医療制度の保険料は月額いくらか

提供元:Mocha(モカ)

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【2024年4月施行】後期高齢者医療保険料の増加理由とは?

75歳以上の医療費が占める割合は、全体の約4割。2023年度(概算)も、2022年度から4.5%増の18.8兆円となりましたが、実は後期高齢者医療保険料は、窓口負担分を除く医療給付に必要な財源の約1割にすぎません。残りの約9割は、公費(約5割)および現役世代からの支援金(約4割)によって成り立っています。

<後期高齢者にかかる医療費の財源>

東熊本県後期高齢者医療広域連合「保険料はどうなるの?」より

そこで、世代間のバランスを図る改正(2024年4月施行)が、次のとおり2024・2025年度の後期高齢者医療保険料から反映されるようになりました。これが、後期高齢者医療保険料が増加する理由となっています。

●後期高齢者医療保険料の増加理由(1):現役世代の負担率の伸びを反映

2008年から2022年にかけて、「高齢者一人当たりの保険料」はたしかに1.2倍(5,332円→6,472円)増加しましたが、「現役世代一人当たりの支援金」はそれを上回る1.7倍(2,980円→5,456円)の増加です。今回の見直しでは、それぞれの伸び率が同じになるよう、「後期高齢者負担率」が12.67%(2022・2023年度:11.72%)に引き上げられました。

●後期高齢者医療保険料の増加理由(2):出産育児一時金を全世代で支え合う仕組みの導入

健康保険や国民健康保険の被保険者等が出産すると、加入している公的医療保険制度から「出産育児一時金」が支給されます。2023年4月よりその金額が42万円から50万円に引き上げられましたが、出産育児一時金に係る費用の7%(2024・2025年度は3.5%)を、後期高齢者医療制度からも支援する仕組みが、今回の改正で導入されました。

「激変緩和措置」の縮小で2025年度から保険料が増える人

今回の改正にあたっては、保険料負担の急激な上昇に対する「激変緩和措置」も設けられていることから、その負担上昇を煽る情報は冷静に見極める必要があります。実は、約6割とされる年金収入153万円相当以下の加入者は、改正に伴う「均等割」の増加はありません。

一方で、約12%と推計される年金収入153~211万円相当の加入者については、激変緩和措置で2024年度は行われなかった「所得割」の増加が、2025年度より発生します。また、2024年度は73万円に抑えられていた年収1,000万円超の加入者に係る賦課限度額(保険料負担の年間上限額)が、2025年度は80万円に引き上げられる点にも注意が必要です。

現在の状況をもとに保険料がいくらになりそうか試算してみよう

今回は、すべての75歳以上が加入する「後期高齢者医療制度」に係る保険料について、2025年度さらに値上がりする背景を中心に解説しました。みなさんがお住まいの都道府県では、2025年度果たしていくらになるでしょうか。老後の家計を見通すうえで、後期高齢者医療保険料が、今後ますます重要な位置を占めることは間違いありません。

都道府県によっては後期高齢者医療広域連合のウェブサイトから保険料を簡単に試算ができるので、75歳を迎えるまでまだまだ時間がある人も、ぜひアクセスしてみてください。知っていると知らないとでは、実際に75歳を迎えた際の心のゆとりが大違いです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 神中智博]

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