【調査を読み解くシリーズ】プラチナNISA報道で話題の毎月分配型投資信託の気になるデータ

提供元:アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所

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分配金に対する20代の誤解

【図表5】は現在毎月分配型を保有している人の「分配金」の特徴に対する認知状況です。20代はどの項目も認知割合が他の年代より低く、最も特徴を認知している項目でも5割を下回る認知に留まっていました。特に「分配金が支払われた額だけ、基準価額が下がる」という特徴への認知割合は24.4%しかなく、分配金を「うちでのこづち」のように誤解している節も見られます。

【図表5】

出所:投資信託協会「2024 年(令和6年)投資信託に関するアンケート調査報告書(全般編)」を基にアセットマネジメントOne作成

一方で、60代や70代は分配金の特徴を把握しながら保有している傾向が見られます。60代・70代は金融商品を取引する際、オンラインよりも金融機関の営業担当者経由の割合が大きいと言われています。毎月分配型の購入の際、担当者が分配金の説明を行っていることが、高齢者層の分配金に対する理解が進んでいる理由の一つと考えられます。

高齢者層には改めて、資産形成層には新たに、「分配金」に関する啓発活動が重要

冒頭で取り上げたプラチナNISAがスタートするとなると、毎月分配型への注目が再び高まることが予想されます。

過去を振り返ると、毎月分配型がブームとなった際に、分配金に関する説明が不足しているのではないかとの問題が指摘され、顧客に対するわかりやすい情報提供が強く求められるようになりました。新制度がスタートすると、制度を活用して新たに毎月分配型を購入する高齢者が増えることが予想され、改めてわかりやすい情報提供が重要になります。

また、毎月分配型の関心が高まることで、若い世代の資産形成層も少なからず関心を持つことが考えられます。若い世代の多くはオンラインで金融商品を取引しています。そのため、自分で情報を集める必要があります。分配金に関する誤解を減らし、合理的な投資行動を促すためには、情報を得やすく、分かりやすく説明する仕組みやコンテンツが必要です。情報の提供方法や内容を工夫し、若い世代がより理解しやすい形で提供することが重要となってきます。

(執筆 : アセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所 坂内 卓)

当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が作成したものです。当資料は、アセットマネジメントOne株式会社がお客さまの理解を深めていただくために情報提供を目的として作成したものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。アセットマネジメントOne株式会社は、投資家に対する投資勧誘は行いません。また掲載データは過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。当資料における内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。
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著者/ライター
坂内 卓
アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所
研究員

証券会社で個人投資家向けの商品企画や営業企画を携わった後、IT企業でフィンテックアプリの運営を担う。2020年アセットマネジメントOneに中途で入社後は営業企画や新規ビジネス企画などに従事。2024年4月より現職。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
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