プロが語る!資産形成のすゝめ

最新の運用報告書から学ぶ分散投資の考え方

100年続くノーベル財団の資産運用

提供元:野村證券

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世界で最も権威ある賞のひとつと言われるノーベル賞は、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルの遺言により1901年から続いている賞で、既に100年以上の歴史があります。そのノーベルの遺産の管理と、ノーベル賞の運営を行っているのがノーベル財団です。

2025年4月にノーベル財団HPに最新の運用報告書が掲載されましたので、その内容を見てましょう。

ノーベル財団の運用資産は、2024年末で66億スウェーデンクローナ、日本円に換算すると、1スウェーデンクローナ15円計算で990億円になります。ノーベル財団は、この資産を管理・運用しながら毎年のノーベル賞の運営費を捻出しているのです。

上段のグラフは、2012年から2024年までのノーベル財団の運用結果を棒グラフで示しています。2022年の運用は、残念ながらマイナスとなりましたが、ノーベル賞の運営費から求められる事業費率を概ね上回る運用結果となっていて、財団の資産も増加傾向を続けています。

そのノーベル財団は、インフレ調整後で少なくとも年率3%のリターンを目指すという運用上の目標を掲げています。リターンがこのレベルであれば、将来の費用を賄うことができるとの見立てです。

運用の目標達成のための基本ポートフォリオは、株式が55%、債券が10%、不動産が10%、そしてオルタナティブが25%です。実際の運用においては、各資産の配分比率をずらしてもよい許容範囲が設けられていて、2024年末の実際のポートフォリオは、株式が56%、債券が12%、不動産が9%、オルタナティブとしてのヘッジファンドが24%となっています。

人類に最も貢献した人々を称える、というノーベルの遺志を継承していくためのノーベル財団の資産運用を真似ることは難しいかもしれませんが、その基本的な考え方は、長生きによる資産寿命の延命がテーマになりつつある個人の資産運用においても、大いに参考になるものではないでしょうか。

著者/ライター
丹羽 紘子
野村證券投資情報部 ストラテジスト

2013年より投資情報部に在籍し、テクニカル・アナリストとしてチャート分析に携わる。2024年からは金融リテラシーに関するコンテンツを作成。わかりやすい解説を心がけている。

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