株主優待実施社数が過去最高を更新!
「個人投資家人気」の優待銘柄・「連続増収増益」の好業績優待銘柄をピックアップ!
提供元:三菱UFJ eスマート証券
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株主優待実施社数が過去最高を更新!
前回1年前の記事で、株主優待のトレンドに変化が起きていると取り上げました。2024年からの新NISA開始や政策保有株(持ち合い株)の解消などを背景に、幅広い企業で個人投資家を意識した株主優待導入が増加しているという内容です。
直近ではさらに株主優待実施社数が増加し、図1の通り2025年3月末時点で1,580社と過去最高を更新しています。背景には上記の理由に加え、東証の市場再編後の上場維持基準の経過措置が2025年3月で終了したことで、基準未達企業による流通株式時価総額や売買高の向上、株主数増加などを目的とする優待導入を決定した企業が相次いだことなどが考えられます。
足元ではさらに上場銘柄における実施割合も35%に回復し6年ぶりの増加となるなど、株主優待が再び注目を集めています。
株主優待は日本独自の制度であり、企業から個人投資家へのプレゼントといえます。株主還元の中でも、国内の個人投資家がより恩恵を受けやすい株主優待制度を上手に活用し、投資生活に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。
■図1:株主優待実施銘柄数と全上場銘柄における割合推移(9月末時点、2025年は3月末時点)
個人投資家に人気の株主優待5銘柄
株主優待が再び盛り上がりを見せる中、今回は個人投資家の株主数が多い人気優待銘柄、そして好業績を継続している連続増収・増益銘柄をピックアップしていきます。
はじめに、個人の株主数が多い人気の優待銘柄です。有価証券報告書記載の所有者別分布状況より、「個人・その他」株主比率が30%以上かつ個人株主数が多い銘柄を上位5銘柄ご紹介です。人気優待銘柄の参考としてご覧ください。
■個人投資家に人気の株主優待5銘柄(時価総額5,000億円以上、個人株主割合30%以上)
※2025年6月13日現在、QUICKデータ・各社WEBサイト等を基に三菱UFJ eスマート証券投資情報室作成
※株主優待は一部を掲載しております。株主優待の最新情報や詳細は、企業のWEBサイト等をご確認ください
個人株主比率・株主数ともに多い優待銘柄1位はイオン(8267)で株主数は87.3万人です。ご存じの方も多い総合小売大手企業です。イオンの株主優待はオーナーズカードが受け取れ、保有株数に応じて買い物金額の3%~7%がキャッシュバックされるもので、イオンをよく利用する方に嬉しい内容です。また、25年6月12日に8月末を基準日とする1対3の株式分割を発表し、分割後は100株から1%のキャッシュバック還元を受けられるよう株主優待を拡充予定です。分割後は10万円台で売買が可能となることから、今後さらに株主数が増加することが予想され、個人株主の拡大は株価の安定にも繋がる可能性があるとみています。
3位のすかいらーくHD(3197)は「ガスト」や「バーミヤン」などを運営するファミレスの最大手企業です。株主数は外食系の株主優待銘柄の中で最も多い46.3万人で、個人株主比率も69.7%と割合が高くなっています。幅広い店舗で利用できる優待券は25年4月から1円単位で利用できるようになり、さらに25年9月発送分より電子チケットに変更予定で利便性が向上している点も嬉しいポイントです。
10年以上「連続増収・営業増益」が続く好業績株主優待5銘柄
続いて、長年に渡り連続で売上高と本業での儲けを示す営業利益が伸長している連続増収・営業増益の銘柄です。
2025年4月の米トランプ大統領の関税発表以降、関税に関する様々な発言やニュースに日本株市場も一喜一憂する動きが継続しています。関税については未だ不確実要素が多く、その影響は幅広く度合いを測ることも難しいため、企業側も業績の見通しをはっきりと立てづらい状況となっており、投資先の選定が難しくなっています。
そこで、過去長年に渡り様々な局面でも着実に業績を伸長させてきた実績を持つ株主優待銘柄をスクリーニングします。
今回は10年以上連続して増収・営業増益実績を持ち、さらに今期も増収・増益予想の銘柄を時価総額順にご紹介します。不安定な相場状況でも業績面での安心材料が多い優待銘柄として参考になさってください。
■10年以上連続増収・営業増益の株主優待5銘柄(時価総額順)
※2025年6月13日現在、QUICKデータ・各社WEBサイト等を基に三菱UFJ eスマート証券投資情報室作成
※株主優待は一部を掲載しております。株主優待の最新情報や詳細は、企業のWEBサイト等をご確認ください
増収・営業増益が続く企業で時価総額1位は「ドン・キホーテ」等を運営するパンパシフィック・インターナショナルHD(7532)です。連続実績は35年と圧倒的な年数となっています。着実に業績を伸ばしているとともに、配当金についても22期連続で増配が継続しており、成長をしっかりと株主へ還元している様子も伺えます。過去の様々なショックや長きに渡るデフレ環境下、そして足元数年のインフレなどもしっかりと乗り越えてきた、変化への対応力に強い企業といえます。
そのほか、神戸物産(3038)やヤオコー(8279)、ベルク(9974)はいずれもスーパーを運営する企業で内需系銘柄ということもあり、外部要因に左右されづらい特徴を持っており増収・増益が継続しています。
神戸物産は「業務スーパー」の他に外食・中食事業も手掛けるなど、時代に合わせた食のニーズに応えるための事業拡大を行っています。株主優待は「業務スーパー」で使える「Gyomuca」カード(電子マネーとポイントカード一体化サービス)ですが、VISAギフトカードまたはグループ商品詰め合わせとも交換できるため、店舗が近くにない方も安心の設計になっています。
小売企業の株主優待は運営する店舗の優待券だけではなく、株主誰が受け取っても使い勝手の良い優待になるように設定している企業も多くなっています。
今回ご紹介した銘柄以外にも、1,500社以上の銘柄が株主優待を実施しています。1年に2回優待を実施する銘柄も多く、優待獲得のチャンスは年間2,000回以上もあります。ぜひご自身に合った株主優待を探してみてはいかがでしょうか。
*三菱UFJ eスマート証券公式YouTube(投資情報専門チャンネル)では、毎月株主優待に関する情報をお届けしています。ぜひご覧ください。
(三菱UFJ eスマート証券)