資産1億円の兼業投資家が実践する「超分散&長期投資」前編

投資歴30年の兼業投資家が明かす「株式投資で大損しない理由」

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投資の第一歩として、NISAを活用する人は多いだろう。つみたて投資枠で投資信託を用いた積立投資を行っている人がほとんどかもしれないが、なかには成長投資枠も活用して、個別株での運用を行っている人もいるかもしれない。

ただ、個別株への投資となると、特定の会社や業界について詳しくならなければ、今後成長するであろう銘柄を見極めることは難しいもの。働きながら運用を行う兼業投資家でも、株式投資はできるのだろうか。

200以上の銘柄を中長期的に保有し、資産1億円を突破した兼業投資家の「なごちょう」こと名古屋の長期投資家さんに、これまでの経験や株式投資のコツについて聞いた。

「株式投資で資産100倍」と聞いて抱いた興味

なごちょうさんが資産運用に興味を持ち始めたのは、小学生の頃。

「小学3年生で読み始めた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のなかで、『定期預金で運用すれば、税金がかからずに2倍になる』といった話が出てきたんです。当時は利息が非課税になる制度があり、この話を参考にして運用すれば働かなくても食べていけると思って、定期預金や利息に興味を持った感じでした」(なごちょうさん・以下同)

1991年、高校1年生のときに親が積み立ててくれていた定期預金が満期になり、残高が元本の倍ほどになっていたこともあり、ますます運用への関心が高まっていく。

「あの頃はまだ定期預金の金利が高かったんですよね。そんななかで株に興味を持ち始めたのは、親の知り合いの話を聞いたことがきっかけです。当時は現物支給でのボーナスが珍しくなかったんですが、その方はボーナスとして任天堂の株を受け取り、その株を持ち続けて、資産が100倍以上になったらしいんですよ。そこで売って早期退職したと親から聞いて、そんな夢みたいな話があるんだって思いましたね。大人になったら株式投資を始めようって心に決めました」

当時の成年年齢である20歳を迎えたなごちょうさんは、さっそく自分の名義で証券口座を開設した。

「投資初心者向けの書籍を2冊くらい軽く読んだんですけど、数字や単語の意味が理解できないし、何を買ったらいいかもわからなかったんで、証券会社の担当者や知り合いに言われるがままに東芝、富士通、パラマウントベッドと、優待が欲しかったモスフードサービスの4銘柄を買いました。結果的にモスフードサービスは買値と同じくらいで売り、東芝と富士通は含み損の状態になったんですが、介護保険導入のタイミングでパラマウントベッドの株価が4000円くらいから1万7000円くらいに上がって衝撃を覚えました」

含み損の状態だった東芝と富士通も少しずつ回復し、最終的には利益を出して売却することができた。

「いま思うと、すべてラッキーパンチだったんですが、当時は『あんまり勉強しなくても結果が出るなんて、株式投資って楽勝だな』って気持ちでした(苦笑)。でも、その後にITバブル崩壊があり、2002年には時価会計の導入が必須になったりして、30万円くらいで買ったUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)の株が半年も経たないうちに5万円くらいまで下がって、この頃はきつかったですね。投資歴7年目くらいで、ようやく株式投資の難しさや怖さを実感しました」

お話を伺った方
名古屋の長期投資家(なごちょう)
兼業投資家。1995年12月から株式投資を開始し、現在は超分散投資・長期投資を実践し、200以上の銘柄を保有。インカムゲインと配当の成長を重視したポートフォリオを組んでおり、名証(名古屋証券取引所)に上場する銘柄を好む。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
用語解説

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