元サラリーマンFPが考える「お金に困らない夫婦」の特徴 その2

「家計」と「将来」について夫婦で話し合うコツ

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夫婦で話し合うための7つのコツ

「夫婦それぞれの価値観を共有する」「本当に実現したい家族共通の理想の人生を見つける」という2つ以外にも、夫婦でお金について話す際のコツを教えてもらった。

●楽しいことを話すタイミングで持ち掛ける
「急に『お金のことを話そう』と切り出すのは難しいですよね。出産やマイホームの購入など、楽しい将来を想像するタイミングで、『子どもがやりたいことを実現させてあげるためには、何が必要かな?』『理想のマイホームを建てるために、一緒に考えよう』と持ち掛けると、互いに話しやすくなるでしょう」

●できるだけ早く話し合う
「結婚生活が進めば進むほど、お金の使い方が習慣化するため、話し合いにくくなっていきます。特に子どもが産まれると、『いまは子育てでバタバタしてるから、お金の話は落ち着いてからでいいか』と、後回しにしてしまいがちです。できるだけ早く話す場を設け、夫婦の認識を合わせましょう」

●自分から具体的に伝える
「もし、配偶者から『お金のことが不安だから、一緒に考えて』『教育費が足りないから、もっと貯蓄したい』と言われても、なんて答えたらいいかわからないですよね。なので、切り出す際は『もともと公立校に進学する想定だった子どもが私立校を目指し始めたから、入学までに○円足りない。いまから毎月○円貯蓄できるように、家計を一緒に見直してくれないかな?』というように具体的に伝えると、相手も考えやすくなるでしょう」

●話す時間を決める
「子育てや家事の最中、ゲームをしたりテレビを見たりしているときに話しかけても、多くの人は集中して話ができないものです。本気でお金について話し合うのであれば、『家計について話したいから、30分取ってほしい』と伝え、互いの都合が合う時間を押さえましょう」

●話す環境を整える
「時間と同様に、場所を整えることも重要です。子どもが起きている間は集中して話しにくいという理由で、子どもが寝てから話し合っている夫婦もいます。僕と妻は面と向かって話すと互いに身構えてしまうので、あえて横並びになり、リラックスして楽しく話せるようにしています」

●感謝の気持ちを伝える
「お金の話をすると、相手の働き方やお金の使い方を責めるような会話になってしまいがちです。感謝の気持ちを忘れず、『いつも家計をやりくりしてくれて、ありがとう』『仕事を頑張ってくれて、ありがとう』のひと言から入ると、互いに話しやすくなるでしょう」

●過去のことを責めない
「お金の話をすると、これまでのずさんな家計管理や自由気ままなお金の使い方が見えてくることがありますが、そこを責めるのは禁物です。責めても過去は変わりませんし、話し合う気力が失せてしまうので、『これから一緒に考えていこう』と前向きにフォローし合うことが大切です」

一緒に生活していくパートナーだからこそ、夫婦でしっかりお金の話をしておきたいものだが、コツを意識しても難しいという場合もあるだろう。

「お金のことを夫婦2人だけで話していると、ギクシャクしてしまうことがあるでしょう。夫婦によっては、第三者に間に入ってもらうことで冷静になり、建設的な話し合いができることもあります。夫婦ともに気心の知れた家族や友人でもいいですし、ファイナンシャルプランナーをはじめとするお金の専門家でもいいでしょう」

夫婦といえども、阿吽の呼吸でお金の管理ができるものではない。互いの価値観や理想像は言葉にしなければ伝わらないため、夫婦で話す場を設けることが家計管理の第一歩となるだろう。

(取材・文/有竹亮介)

お話を伺った方
磯山 裕樹
磯山FP事務所代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。岡山県在住の2児を育てるパパ。会社員時代は仕事を優先していたが、人生で優先すべきものは家族だと確信し、お金に関する学びを追求してFPとして独立。「家計幸適化メソッド」をベースとした具体的な方法で“豊かに幸せに生活できる家計”を実現し、家計改善成功率100%、継続顧問サービス継続率100%の実績を誇る。著書に『一度始めたらどんどん貯まる
夫婦貯金 年150万円の法則』。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
用語解説

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