元サラリーマンFPが考える「お金に困らない夫婦」の特徴 その4
充実している夫婦は「将来」だけでなく「いま」も大切にしている
安心して相談できる専門家を見つける方法
現在はさまざまな家庭の相談に乗っている磯山さんだが、過去には20人以上のFPに相談した経験がある。そのなかで見出した「いい専門家」の見つけ方を教えてもらった。
「第一に伝えたいのは、『無料相談は要注意』ということです。気軽に相談できる場ではありますが、無料で対応できるのは、別の部分で収入を得ているからだといえます。保険や投資商品などの販売手数料が収入源かもしれないため、相談をした結果、よくわからずに保険や投資の契約をしてしまうということもないとはいえません。セミナーでも、参加無料なうえにケーキが出てきたりお肉がもらえたりするものもありますが、その分だけお金がかかっているわけですし、お土産がないと集客できないという裏事情もあるかもしれません。甘い言葉につられないよう、注意しましょう」
「タダより高いものはない」ということだ。つまり、相談料を設定している専門家のほうがいいのだろうか。
「有料で相談を受けるということは、金融商品の販売手数料などに頼る必要がなくなるので、公平な目線でアドバイスしてくれるでしょう。また、直に料金を受け取る分、専門家は相応の責任を負うことになるので、より真剣に取り組んでくれるといえます。また、相談する側としても、相談料を払うからにはしっかり見直したいという覚悟のようなものができるので、取り組み方も変わってくると思います。無料か有料かという点は、ひとつの判断材料になるでしょう」
「ただし、無料相談を受け付けている専門家のなかにも親身になってくれる人がいる一方、有料相談でも理想と異なる形になるケースはある」と磯山さんは話す。大切なのは、複数の専門家を比較すること。
「相談する専門家によって出てくる答えが変わるので、無料・有料問わず、少なくとも2~3人に相談してみてほしいと思います。その際は提案内容を聞くだけでなく、その専門家の収入源や提案してくれた商品、運用方法などを自身でも実践しているかといったことも聞いてみるといいでしょう。その受け答えによって、信用度を判断できるはずです」
専門家を選ぶときに、もうひとつ重要なのが「相性」だという。
「お金の相談では家計をすべてさらけ出す必要がありますし、多くのケースで3カ月~半年ほど、定期的に話す場を設けていくことになるので、なんとなく相性がよくないと感じる人だと負担になってしまいます。何気ない態度や話すテンポ、言葉遣いなどを見て、『この人なら安心できる』と思える人を見つけられると、相談しやすくなりますし、一生のお付き合いになるかもしれません。そのためにも、まずは複数の専門家に話を聞いてみてほしいと思います」
家計は、今後ずっと向き合っていかなければいけないもの。心を開いて相談できる相手を見つけることで、「いま」と「将来」のバランスを見ながら、無理せずお金と付き合っていけるだろう。
(取材・文/有竹亮介)
夫婦貯金 年150万円の法則』。

