子どもがいてもいなくても「支援金」を納めることに
2026年4月開始の「子ども・子育て支援金制度」による影響とは
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医療保険料に上乗せする形で支払う仕組み
「子ども・子育て支援金」は子どもの有無にかかわらず支払うことになるものだが、どのような形で納めていくのだろうか。
「医療保険料に上乗せする形で支払う仕組みになるようです。医療保険料というとわかりにくいですが、健康保険や国民健康保険の保険料のこと。医療保険制度は割賦対象者(加入者)が多いことや、既に後期高齢者支援金や出産育児支援金などの仕組みが組み込まれていることなどの理由から、医療保険料とあわせて支払う仕組みとなったようです」
健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険といった医療保険制度に加入している人は、「子ども・子育て支援金」を支払うことになる。具体的には、どの程度の金額になるのだろうか。
加入している医療保険制度や所得、世帯の状況などによって異なるようだが、こども家庭庁の発表によると、医療保険制度加入者1人あたりの平均は月額250~450円程度。こども家庭庁は見込み額として、以下の表を提示している。

「子ども・子育て支援金制度」は2026年から2028年にかけて段階的に構築していく制度とされており、1年ごとに支払う金額が増える構造になっている。
「平均を見ると1人あたり250~450円なので、年間でも3000~5400円程度となります。ただし、この表はあくまで試算であり、実際は所得に応じて変化するようなので、すべての人がこの金額になるというわけではないと考えておいたほうがいいでしょう。また、配偶者や子どもが医療保険制度の扶養に入っている場合、配偶者や子どもも納めるのかという点も、今後の発表で注目したいところといえます」
子育て世帯だけでなく「将来の社会」を支える制度でもある
どの程度の負担増となるかはまだわからないが、子どもがいない人や出産・育児を考えていない人も支払うことになるため、一部では「独身税ではないか」という批判の声も出ている。
「『独身税』といったマイナスなワードで呼ばれてしまうのは、『独身者も含めた子どものいない人は出産・育児関連の給付を受けられないのに、負担だけが増えるのは損だ』という感情が働いているからだと考えられます。『払ったのだから、見返りがほしい』と思うのは自然なことかもしれません」
しかし、川部さんは「損得で考えることではない」と話す。
「『子ども・子育て支援金』は少子化対策のための財源であり、出産・育児関連の給付や措置に使われることが明言されているため、納得いかないと感じる人もいるでしょう。しかし、子どもたちは将来の社会を支える存在であり、いずれは誰もがその子どもたちに支えてもらう側になります。たくさんの人が少しずつお金を出し合い、サポートを必要としている人を支える医療保険制度や年金制度で考えてみるとわかりやすいでしょう。『子ども・子育て支援金制度』は子育て世帯を支援するものであると同時に、広い意味で将来の社会を支えるための制度ともいえます」
こども家庭庁も「少子化・人口減少の問題は、日本の経済全体、地域社会全体の問題であり、子どもがいない方や子育てが終わっている方などにとっても、極めて重要な課題」としている。子どもたちが健やかに育つ環境を整えることで、日本の経済や地域社会が維持され、国民皆保険制度や年金制度の持続可能性も高まると考えられる。
「『子ども・子育て支援金』は、その使い道が明確になっているところも重要なポイントです。消費税のように使い道が不明瞭なものだと不安を感じやすいですが、出産・育児関連の給付や措置に用いられることが明らかですし、新たな使い道を設定するには閣議決定が必要になるため、知らないうちに別の事業で使われているということもないでしょう。そういう意味でも、確実に子どもたちや将来の社会のために使われるお金といえます。子どもがいてもいなくても、最終的に自分に返ってくるものと考えると捉え方が変わると思います」
負担が増えることに抵抗するのではなく、導入される背景やその後の影響を知ることで、新たな制度に対する考え方も変わるだろう。2026年4月のスタートを前に、改めて制度内容を確認しておこう。
(取材・文/有竹亮介)

