経営者の声が大きな転機に
「未来の日本経済を担うスタートアップを一社でも増やす」 東証がグロース市場改革に着手した理由と狙い
100億円に満たない企業のIPOも歓迎
この内容を2025年4月に発表して以降、さまざまな反響が寄せられた。グロース市場を「高い成長を目指す企業が集う市場」にしていくという全体の方向性については「多くの賛同意見をいただきました」と礒貝さんは話す。また、スタートアップにおいては、新たな上場維持基準を見据えて成長戦略を描き直すポジティブな動きが見られているという。
「その一方で、時価総額100億円未満の企業にとって『IPOをしにくくなってしまうのでは』という声もありました。しかし今回の主旨は、100億円に満たない企業の上場を否定するものではありません。歴史を振り返れば、上場時は小さな規模だった企業が、その後に時価総額を数十倍から百倍近くに成長させた例もあり、そうした企業の芽を摘んでしまうことは避けるべきです。『高い成長を目指す企業が集う市場』にしていくことが今般の改革の目的であり、高い成長を目指す企業であれば、100億円未満での上場ももちろん歓迎です」
一方で、時価総額100億円はあくまで「通過点」であり、ゴールではないという。「グロース市場には、未来の日本経済を担うスタートアップの輩出が期待されています。その実現に向けて、時価総額100億円以上の企業も含め、高い成長を目指していただけるよう、東証としても後押ししていきたいと考えています。」と口にする。
そこで重要となるのは、2つ目の施策「高い成長を目指した経営の働きかけ」と、3つ目の施策「積極的に取り組む企業のサポート」である。こちらについては、次回の記事で詳しく紹介したい。
(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)
※記事の内容は2025年12月現在の情報です
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グロース市場を「高い成長を目指す企業が集う市場」とするために
著者/ライター
有井 太郎
ビジネストレンドや経済・金融系の記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿している。企業のオウンドメディアやブランディング記事も多い。読者の抱える疑問に手が届く、地に足のついた記事を目指す。



