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推し活をしている人ほど「金銭感覚」が身に付くらしい…?

企業にも消費者にもプラスの効果あり!?「推し活」が消費にもたらすメリット

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推し活の意味を見出すとお金のやりくりがうまくなる…?

推し活の盛り上がりとともに、そのリスクが取り上げられることもある。推し活にお金をかけすぎて、生活が破綻してしまうといったケースだ。しかし、水越教授は「推し活をすることで、かえって金銭感覚が身に付く可能性がある」と話す。

「まだ研究に取り組み始めた段階ですが、推し活をしている人のほうがお金の使い方がうまくなるのではないかという仮説を立てています。というのも、推し活をしている学生から『推し活のためにアルバイトをしている』『推し活以外のことにはお金をかけないようにしている』といった話を聞くからです。推し活が働くモチベーションになったり、お金をやりくりするきっかけになったりするのではないかと予想しています」

水越教授が立てた「推し活が金銭感覚を身に付ける」という仮説には、ブランド依存に関する研究も関係しているとのこと。ちなみに、ブランド依存とは特定のブランドに強い愛着を抱き、継続的に購入する心理のこと。

「『ブランド依存は借金をしなくなる』という研究があります。これも研究段階ではありますが、好きなブランドの商品を買いたいと思えば思うほど、『このお金はそのために取っておこう』といった形で予算を管理するようになると考えられているのです。推し活にも通じる部分ではないかと感じています」

ポジティブな効果が期待できるものの、推し活もバランスが大事。「推しに貢ぐようなことにならないよう、何のために推し活をしているのかといったことを考えてみることが大事」と、水越教授は話す。

「仕事には『ジョブ・クラフティング』という概念があります。担当業務は社内の事業にどう貢献しているか、自分のキャリアにどうつなげるかといったことを考えることでやりがいやモチベーションが高まり、仕事がうまくいくというものです。ここから派生して『レジャー・クラフティング』という言葉も出てきています。レジャーも何のためにやっているのかを考えることで、よりウェルビーイングにつながりやすいという考え方です」

推し活も「レジャー・クラフティング」に当てはめて考えることで、満足感や充足感を得やすくなるというわけだ。

「考えることが大事なので、理由付けは『ジョブ・クラフティング』のような堅いものではなく、人それぞれでいいと思います。『推し活が仕事のモチベーションになる』『推し活がきっかけで友達が増える』といったことでいいので、推し活をする理由を考えてみると、よりポジティブな感情でバランス感覚を持って推し活を楽しめるのではないかと思います」

商品に「推しのため」という意味を乗せると価値が上がる

マーケティングの視点で見てみると、推し活ならではの消費行動があるという。

「推しに関連する商品に対しては、プレミアムな価格を支払ってもいいという感覚になりやすいと考えられます。私自身は大谷翔平選手を推しているのですが、野球場に観戦に行った際、1杯2000円のビールを『大谷選手のためになるなら』と思って買ったことがありました。居酒屋でビールが2000円したら我慢すると思いますが、推しのためという意味が乗ると買ってもいいと思えてしまうんですよね」

アイドルやキャラクターのグッズも同じ効果があるといえる。例えば、無地のクリアファイルであれば、100円ショップで複数枚入りのものが手に入るだろう。しかし、キャラクターのイラストが描かれたクリアファイルであれば、ファンは数百円支払うことも惜しまない。

「日常生活での消費は『自分のため』という感覚のみですが、推し活関連の消費は『自分のため』+『推しのため』という感覚になるため、消費傾向が変わってきます。商品の機能的な価値にプラスして『推しのため』という意味が乗り、ファンにとっては価値が上がるため、ある程度高い金額でも支払えるのだといえます」

お話を伺った方
水越 康介
東京都立大学経済経営学部教授。専攻はマーケティング論、商業論、消費者行動論。神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了後、首都大学東京(現東京都立大学)研究員を経て現職。著書に『応援消費 社会を動かす力』『図解ポケット 推しからエシカルまで 応援消費がよくわかる本』など多数。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。

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