うどん事業で得た資金を運用
資産2.5億円を突破、お笑い芸人・オモロー山下さんは「現実逃避」によって投資で成功した
生活防衛資金と趣味、2つを使い分けた運用スタイル
――今はどんな考え方で資産運用をしているのですか?
山下 絶対的に強いのはインデックス投資だと思っています。過去15年間のパフォーマンスにおいて、プロのファンドマネージャーの9割がS&P500に負けているという話もあります。プロが勝てないのに僕ら素人が上回れるわけがない。
「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェットも、もし自分が死んだら、「運用資金の9割をS&P500に、残り1割は短期国債を買うように」と奥様に伝えているのは、有名な話ですよね。
特にこれからは、NASDAQのインデックスに注目しています。NASDAQはITやテクノロジー系の企業が数多く上場している市場です。代表的な100銘柄を集めた「NASDAQ-100」の指数を見ると、2010年以降はS&P500のパフォーマンスを大きく上回っていますよね。今後、少なくとも10年はAIの進化が続くと見ているので、その関連企業が多いNASDAQは変わらずに優位だと思います。
――ということは、現在はインデックス投資がメインですか?
山下 そう言いたいところですが、実は個別株にかなり投資しています。全体の中でインデックスの割合は15%ほど、残りは個別株ですね。自分の年齢を考えると、少なくとも5割はインデックス投資にしておくべき。そう思って徐々に割合を変えようとしているのですが、なかなか進んでいません(笑)。
――投資を始めた頃は「個別株にはあまり手を出さない」という方針でしたよね。
山下 はい。でも徐々に個別株投資をやるようになると、とにかく面白いんですよね。だからついつい金額を増やしてしまう(笑)。決して個別株の運用成績がいいとか、大きな成果が出ているというわけではないんです。今のところ、個別株もS&P500と同じくらいのパフォーマンスになっていますが、それは相場の地合いがいいから。いつまでも続くとは思っていません。インデックス投資の比率を上げた方が賢明でしょうね。
ただし、こういった計算もしています。私は今、iDeCoと新しいNISAを合わせて毎月14万3000円をS&P500に積み立てています。内訳ですが、個人事業主なので、iDeCoは月6万8000円まで掛けられる。新しいNISAについては、つみたて投資枠と成長投資枠の合計1800万円があるので、それを20年で使い切るとすると、月7万5000円投資ができます。これらを合わせると、月14万3000円になります。
S&P500の年率リターンは、過去60年の平均で10%ほど。仮に毎月14万3000円を利回り10%で20年間積み立てると、1億円を超える計算になります。もちろんこの通りに行くとは限りませんが、最低限この積み立てをしておけば、それ以外のお金で個別株を楽しんでもいいかなという考えです。
個別株投資は本当に難しいので、あくまでこういう「余裕資金」でやらないと痛い目に遭うと思っています。自分の老後を支える資金は最低限積み立てておいて、残りのお金で趣味的に個別株を楽しむ。そんな投資スタイルになっていますね。
(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)
※記事の内容は2025年12月現在の情報です
1992年、吉本興業に所属。同年に世界のナベアツ(現・桂三度)とお笑いコンビ「ジャリズム」を結成。2011年に解散。オモロー山下に改名し、ピン芸人で活動。2017年に吉本興業を退社。その後はフリーでライター業、飲食店「山下本気うどん」のプロデュース業を行う。



