３．新規設定ファンドの動向

「今年最大の大型新規設定」

11月の新規設定額は約1,900億円となり、前月（約1,410億円）から大きく増加した。また、新規設定本数も22本と前月（13本）から増加した。

新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かった「ＴＲプライスキャピタル・アプリシエーション・ファンドＢ（ヘッジなし）」（Ｔロウプライス、約1,720億円）が圧倒的な資金を集め、今年最大の大型新規設定となった。次いで「世界株式・クオンツ・ロングショートファンド（ヘッジなし／年1回）」（三井住友ＤＳ、約42億円）が続いた。

設定額1位の「ＴＲプライスキャピタル・アプリシエーション・ファンドＢ（ヘッジなし）」は、株式60％／債券40％を基本資産配分比率とし、米国を中心としたGARP（割安成長）銘柄や国債・社債（ハイ・イールド債券を含む）などに投資する複合資産型ファンドである。

設定額2位の「世界株式・クオンツ・ロングショートファンド（ヘッジなし／年1回）」は、世界の先進国・地域の上場株式を対象としたロングショート運用を行い、ポートフォリオの市場連動性を抑えつつ、信託財産の中長期的な成長を目指す絶対収益型ファンドである。3位以下には、この他に円債ファンド、欧州株ファンドなどが名を連ねるなど、米国株式を主体としたファンド以外の新規設定が目立った。

マグニフィセント・セブンを始めとする大型グロース株式が牽引した米国株式市場の大幅な上昇を経て、投資家は既にコアポートフォリオとして米国大型グロース株式を多く組入れる米国株式ファンドを保有していることが見込まれる。この状況下で、投資家が求める分散投資ニーズに応えるべく、複合資産ファンドや絶対収益型ファンドが設定され、資金を集めているものと推察される。

新規設定金額、設定本数の推移

最後に、11月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

（三菱アセット・ブレインズ）

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