「50歳で3億円」を達成した兼業投資家の投資ルール・前編
長期投資を途中で投げ出さずに「億り人」になる方法
好調でも不調でもブレない手法で続けるのが資産運用のコツ
とりでさんが株式投資を行うにあたって、心に決めているのは「仮に株価が必ず下落するとわかっていても売却しない」こと。
「儲けようと思って投資を始めたわけではなくて、順調に資産が増えていけばいいなくらいの感覚だったのが大きいと思います。27歳のときに試算したんですよ。当時、貯金や投資で既に2700万円の資産があり、そこから仮に毎年300万円入金するとして、どのくらいまで増やせるんだろうと。アメリカの平均パフォーマンス年7%で計算すると、51歳のときに3億円になるという結果が出て、それだけあれば生きていくのに困らないなということで『50歳で3億円』を目標に設定しました。年7%のパフォーマンスなら頻繁にトレードする必要はなく、長期で保有し続けられるものを選べばいいという発想になれたんです」
投資を始めてからの十数年は日経平均株価が上がらず、思うような成果が出なかったため、投資の熱が冷めた時期もあった。その頃は入金せずに現金を貯めていたが、株式を売るという選択はしなかったそう。
「仮にいい銘柄を売ってしまった場合、もう一度買い直すことになりますが、買うタイミングを悩んでいるうちに売却した価格に戻ってしまったら売らなかったのと同じですよね。売却した価格より1円でも安く買い直せたらお得と思うかもしれませんが、そのために売買手数料を払っては意味がありません。たとえ株価が下がったとしても保有し続けたほうが、時間的にも金銭的にも効率がいいと考えられます」
もともと描いていた目標と実際のパフォーマンスを照らし合わせると、2014年時点では目標から6年遅れの状態だったが、グロース投資に変えた2017年ごろに3年遅れ、2021年に1年遅れまで回復し、2024年1月に想定よりも早い段階で目標の3億円を達成。不調なときも好調なときも投資手法を変えなかった。
「目標の『資産を3億円に増やす』を実現するため、リスクを極力抑えて、年7%のパフォーマンスを出すことに注力してきたので、淡々と続けてこられたんだと思います。目標を決めることが大事なんでしょうね。なんとなく投資を始めてしまうと、好調なときに儲けに目がくらんで欲をかいてしまうかもしれません。でも、目標があると『これで十分』と思えるので、そのまま継続できる。投資はあくまで手段であり、目標に対して最適なものを選ぶことが重要だと思います」
最適な手段を選ぶため、ある程度資産が増えてきた際にはチャレンジするのもいいという。
「僕はあまり手法を変えずに続けましたが、資産が1000万円くらいになってきたら100万~200万円くらい引き出して、デイトレードに挑戦してみるのもいいかもしれません。向いてると思ったらもう少し資産を移してもいいし、難しいと思えばやめればいい。どちらにしても、さまざまな手法の投資をしている人が市場にいると知ることで、投資の選択肢も増えてくるはずなので、経験は必ず活きてくると思います」
明確な目標を定め、淡々と株式投資を続けてきたとりでさん。後編では、より具体的な投資手法と投資初心者がしがちな失敗について伺う。
(取材・文/有竹亮介)

