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貫いてきた「挑戦を支える会社」としての姿勢

月保険に宇宙旅行保険……統計的手法が通用しない「宇宙保険」を三井住友海上が50年以上提供できた背景

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この国には、宇宙ビジネスで勝つための「資産」がある

宇宙の活動は莫大な費用がかかり、失敗すれば今まで投資した資金が水泡に帰す。しかも先述の通り、失敗することも珍しくない。ただしその一方で、宇宙ビジネスは社会の発展に欠かせない側面もある。だからこそ「私たちがその活動をサポートしていく意義があります」と、3人は伝える。

「日本には、自動車製造などで培った技術的な強みがある上、海洋に面する地理的特徴もロケット打上げに適しています。宇宙ビジネスを育てる上で大切な資産がこの国にはあるのです。それらを生かしてこの産業を発展させたいですし、そのために少しでも貢献していきたいと思います」(野尻氏)

ロケットを飛ばす際は、東の方角へ打上げると宇宙に到達するまでの使用燃料を比較的抑制できると言われる。地球の自転を利用できるためだ。また、赤道に近いほど自転速度は速くなり、燃料削減の効果は増す。こうしたことから、特に静止軌道への打上げには、東側が海で、かつ赤道に近い地点がロケット発射場として理想的とされている。種子島はその条件に適しており、まさしく日本が宇宙と行き来するための“資産”といえるだろう。

この国の宇宙ビジネスを支援することは、三井住友海上にとっても重要な意味がある。同社は2027年4月にあいおいニッセイ同和損害保険と合併し、国内損害保険事業における市場シェアNo.1の損保会社となる。こうした中で、濱村氏は「私たちはチャレンジする方々を支える会社であるべきですし、宇宙のようなこれから開拓が進む領域に根を張って、新たな事業の発展を支援していきたいですね」と口にする。

その一環として、同社では保険以外にも宇宙ビジネスに対するサポートを提供している。「ロケットの打上げや衛星運用に伴うリスクマネジメントのほか、新たに宇宙業界に参入する企業の包括的な支援なども行っています」と野村氏。宇宙ビジネスに関わる企業と連携協定を結ぶケースも増えている。

50年を超えて、宇宙空間での活動を裏で支えてきた三井住友海上。その役割は、今後ますます重要になるだろう。

(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2026年1月現在の情報です

著者/ライター
有井 太郎
ビジネストレンドや経済・金融系の記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿している。企業のオウンドメディアやブランディング記事も多い。読者の抱える疑問に手が届く、地に足のついた記事を目指す。

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