「わかりやすく」をモットーに発信する企業情報が投資家との接点になる

株式分割を実施した伊藤忠商事「株主目線で本当に必要なものを提供したい」

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株式分割によってNISAでの投資の対象に

株式分割を発表した2025年11月から、既存株主や個人投資家からのポジティブな反応が届いていたそう。

「多くの方から『買いやすくなってうれしい』という声をいただきました。分割そのものが株価や企業価値の向上に直接つながるわけではありませんが、より多くの方に投資先の選択肢に入れていただくことによって、株価の安定化につながるのではないかと期待しています」(井上さん)

1月1日に株式分割を実施してから、うれしい変化も見えてきているという。

「分割したことにより、NISAを通じての投資がかなり増えていると聞いています。分割前の1万円に近い株価ですと、年間投資額の上限が設定されているNISAで購入することが難しかったと思うのですが、現在の株価であればその範囲内で購入する候補に入れていただけるのだと実感しました。購入しやすい価格になったことが、ひとつのアドバンテージになるといいなと思っています」(井上さん)

身近なビジネスを見やすく・わかりやすく伝える工夫

個人投資家に興味を持ってもらう取り組みとして、株主分割のような直接的なものだけでなく、自社情報の発信も意識的に行っているという。

「商社のビジネスは、個人株主の方から見て何をやっているかわかりにくいところがあると思います。そのなかでも、当社はさまざまな分野で個人の方にも比較的馴染み深いビジネスを行っていますので、その部分も伝えて、親しみを持っていただくきっかけにできたらと考えています」(太田さん)

「当社の経営理念が『利は川下にあり』であるように、消費者に近いところからニーズを汲み取り、ビジネスの開拓・進化に努めています。商社というとBtoBのイメージが非常に強いと思いますが、当社は個人投資家の皆さんに近い領域のBtoCのビジネスも手掛けているところが特徴です。消費者接点のある会社ということを知っていただき、投資を通じて個人投資家の方々とのつながりを広げていくことで、企業価値も上がっていくと思っています」(井上さん)

伊藤忠商事の代表的な事業である繊維部門では、デサントやアンダーアーマー、コンバース、ポール・スミス、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどを手掛けている。そのほかの部門でも、ファミリーマートやほけんの窓口、プリマハムなどがグループ企業に属している。日頃接しているブランドや店舗ではないだろうか。

「株主総会の招集通知などを見ていただくと、『こんなビジネスもしていたんだ』と親近感を持っていただけると思います。さまざまな角度から当社のことを知り、伊藤忠商事のファンになっていただけたらうれしいですね」(井上さん)

「情報を発信するものに関しては、デザインの美しさやわかりやすさにもこだわって制作しています。招集通知には、ビジュアルを使って業績のハイライトを説明するパートを設けています。パッと見ただけで内容がわかるものにすることで、私たちが伝えたいことが伝わりやすくなりますし、株主の皆さんにも興味を持っていただきやすくなると考えているからです。また、二つ折りや三つ折りにはせず、招集通知は折らずに送るというこだわりもあります」(太田さん)

見やすく、わかりやすい形での情報発信は代表取締役会長CEOの岡藤正広氏のポリシーであり、全社員に共有されているもの。

「企業広告なども同じポリシーで制作しています。以前は笑福亭鶴瓶さんと樹木希林さんにご登場いただき、インパクトがありつつシンプルでわかりやすいメッセージを伝える内容を発信しました。定期的に掲載している新聞広告も、視覚に訴えられるようなビジュアルで長い文章は極力避け、わかりやすく伝えることを心掛けています」(井上さん)

著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。

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