良いお金の習慣が身につく、子ども向けプリペイドカード「シャトルペイ」開発の舞台裏を乙武洋匡が直撃!
乙武先生!金融教育、見にきてください シャトルペイ前編
日本と海外で異なる、子どもの消費を見守る習慣

乙武 「シャトルペイ」のリリースは2022年とのことですから、ここまで3年強がたちました。これまでの取り組みを振り返ってみて、いかがですか。概ねイメージ通りに事業は進んでいるのでしょうか?
見原 それが、まったく思い描いていた通りには進んでいないんです(苦笑)。お陰様で少しずつ伸びているとはいえ、正直、このサービスにはもっと欧米並みのニーズを見込んでいましたから。
乙武 ほう、それはどういうことでしょう。
見原 事業を立ち上げるにあたり、僕は日本国内のキャッシュレス比率が40%を超えたら、「シャトルペイ」もPMF(プロダクトマーケットフィット(※製品やサービスが市場に受け入れられ、継続的に利用される状態のこと)して、事業として一気に成長するだろうという仮説を立てていたんです。
ところが、2024年の時点で40%に達したものの、イメージしていたほど金融教育に対するニーズは高まりませんでした。親御さんの優先順位としては、どうしても受験に備えた勉強が先にあり、なかなか金融教育にまで意識が向いていないのが現実です。
乙武 なるほど。これだけ金融教育の必要性が指摘されていても、まだまだ積極的に家庭でケアする段階にはない、と。
見原 また、欧米と日本の、お小遣いにおける文化の違いも大きいと感じています。欧米では日本の2~3倍の金額を子どもに渡し、小学生の頃から教科書代や日用品などは自分で購入させるのが主流なんです。
乙武 へえ、それは興味深いですね。向こうでは早いうちから、子どもの自主性に任せる土壌があるわけだ。つまり親の側にも自ずと、子どもの消費行動をチェックする必要性が生まれることになります。
見原 おっしゃる通りで、欧米では“見守る”文化がそもそも根付いているんです。逆に日本では、お小遣いの金額を抑え、大きな買い物は誕生日やクリスマスなどに買い与える文化ですから、子どもが自分で消費を試行錯誤する余地がありません。
乙武 たしかに私も、初めてお小遣いをもらったのが小学4年生の時で、月に400円という金額でした。不便や不自由を感じることはありませんでしたけど、当然、自分でいろいろ考えて使うほど自由度が高い額でもなかったですね。
見原 まさに、そうした文化の違いは、直視しなければいけない現実だと痛感しています。


