個人投資家への取り組みの舞台裏に迫る!

優待やイベントを通じて関係を深めることで「株主=ロイヤルカスタマー」に

JR東日本が「株式分割」をはじめとする個人株主向け施策を強化する理由

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「株式分割」のタイミングで「株主優待」も見直し

株式分割のタイミングで、株主優待も見直された。分割前は、100~1000株保有している株主に対して、年に一度100株ごとに1枚の株主優待割引券(鉄道4割引)が発行されていた。3分割後は、株主優待割引券を1枚受け取れる株式数が100株から300株に引き上げられたが、2枚受け取れる株式数は600株ではなく400株、3枚受け取れる株式数は900株ではなく600株といったように引き下げられた。分割前よりも優待を受けやすくなったのだ。

また、長期保有株主向けの優待も期間が変更された。分割前は「3年以上」継続して保有していると株主優待割引券が追加で1枚発行されたが、分割後は「2年以上」となった。

「株式分割には、新たな株主を呼び込みたいという目的もありました。ただ、『通常の株主優待割引券は300株以上から』という基準にしたため、株式分割を機に新たに100株保有していただいた方が株主優待割引券を得られるのが3年後というのは、今の時代ではさすがに長すぎるのではないかと考えました。また、私たちとして『100株主も大歓迎です』という思いも伝えたかったことから、分割を機に『2年以上』に変更して継続保有期間を短くするという結論に至りました」(後藤さん)

「株主優待割引券の配付基準を変更したのは、既存の個人株主の方々に買い増ししていただきたいという思いもあったからです。分割前の最低投資金額80万円台だと、追加購入のハードルが高いですよね。しかし、30万円以下であれば、ある程度資金が貯まってきたタイミングで『買い増そうかな』『あと30万円投資すれば、株主優待割引券が1枚増えるな』と思っていただくことを狙いました」(新川さん)

「株式分割も優待制度の見直しも株主イベントも、JR東日本グループとして個人株主の方々とのつながり(エンゲージメント)をもっと強くしていきたいという思いの表れです。これをきっかけに、当社グループに興味を持っていただけたらと思います」(青木さん)

株式分割を行ってから、想定ほど株主数は増えていないものの、売却されることが少なくなったとのこと。

「分割を行った2024年4月はアフターコロナで、業績も株価も徐々に上がってきているタイミングでした。分割したことで部分的な売却もしやすくなったので、売りが増えると思っていたのですが、思いのほか売却されませんでした」(新川さん)

「株式の売買動向にはさまざまな要素が絡んできますので、その要因の断定はできませんが、株主優待割引券の配付基準の工夫のほか、多くの方にとって身近な会社であるという点や、株主の継続保有期間が比較的長い点などの当社の特性ともいえるところが多少プラスに働いた部分もあると感じています」(青木さん)

著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。

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