乱高下する相場に惑わされない長期投資
先物トレーダーに学ぶ「止まらない上げ相場」との付き合い方
提供元:三井住友DSアセットマネジメント
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短期トレードで世界を駆け巡るCTA
CTAは祖業の商品先物にとどまらず、世界中の為替、株式先物、債券・金利先物など幅広い金融商品を投資対象に、統計モデルや複雑なアルゴリズムを駆使した定量的な運用(システムトレード)を積極的に行うことで知られます。そんなCTAが採用するトレード戦略でもっとも一般的とされるのが、取引レンジが上下に突破されたときに生じる力強いトレンドに乗じて利益を上げる「ブレイクアウト&トレンドフォロー(BO&TF)」と呼ばれるトレーディング戦略です。
昨年来の日本株の急速な上昇局面でも、こうしたCTAによるBO&TF戦略の活発な取引が報じられており、大きな利益を上げるとともに日本株の上昇相場を加速させた一つの要因と伝えられています。このため、CTAは最近の日本株の「止まらない上昇相場」で活躍する、有力な投資主体の一つと言って良さそうです。
そんなCTAの一般的な取引手法であるBO&TF戦略について、詳しく見ていきましょう。尚、こうした取引手法は将来の投資リターンを約束するものではありません。市場での為替や有価証券などの売買、投資信託の購入といった取引は自己責任であることをご確認ください。
CTAの「投資哲学」と「トレード戦略」
CTAの投資戦略の特徴は、(1)データ重視(感情ゼロ)、(2)ルール厳守、(3)リスク一定、の3点に集約されます。CTAはその取引に当たっては、(1)運用者の相場観や感情の一切を廃し、データに基づき投資対象を決定し、(2)あらかじめ決められたアルゴリズム・投資ルールに従って粛々と売買を行い、(3)ポートフォリオのリスクは一定に保たれるよう厳格に運用されます。
CTAの多くが採用するBO&TF戦略では、(1)投資先とエントリーポイントの決定、(2)利食いポイントの設定、(3)損切り(ストップロス)の設定、(4)投資ポジションの決定、(5)決済ポイントの変更、の順で進められます。
まず、(1)世界中の様々な投資市場の中から、値動き、出来高、流動性などから投資先を選びます。例えば、短期の移動平均が長期の移動平均を上に突き抜けるゴールデンクロスが生じていて(図表4-1)、最近のトレーディングレンジを上に突き抜ける動き(チャネルブレイク)がみられ(図表4-2)、出来高が増加中であり、ポジションをとるのに十分な市場規模・流動性がある投資対象を選びます。
そして、(2)、(3)投資先の市場変動率(ボラティリティ)や新しく形成される取引レンジから利食いと損切りのポイントを決定します。次に、(4)どれぐらいのポジションをとるか、投資資金のサイズとボラティリティの掛け算により求められる「リスクのサイズ」が他のポジションと同様になるように取引サイズを決定します。さらに、(5)利食いや損切りに届かなくても資金効率を高めるために、(2)、(3)よりも狭いレンジでポジションを解消するポイントを決めます。
ちなみに、マーケットがトレンドに沿って大きく動いていった場合、(2)利食いや(3)損切りのポイントは、相場変動に合わせて動かしていくことになります。
チーフグローバルストラテジスト
都市銀行で資金為替ディーラー、信託銀行やロンドンの現地運用会社で株式アナリスト及びファンドマネージャー。2007年に大和住銀投信投資顧問(現三井住友DSアセットマネジメント)入社、日本株ファンドマネージャーとして中東産油国の政府系ファンドを担当。15年から米国現地法人社長、22年から現職。
内外株式、外債、デリバティブなど多様なマーケット経験をもとに、グローバルな視点から投資情報を発信します。
趣味:ゴルフ(HCP9)、車、赤ワイン、立ち食い蕎麦、昭和のプロレス
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