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愛する作品の土地に住む「聖地移住」が地域に与える影響

時間をかけて地域への愛着を形成することで成功する「移住」

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自治体のアクションが「聖地移住」を実現させる

画像提供/千葉郁太郎
『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する静岡県沼津市の仲見世商店街。

地方移住は移住者自身にとっても地域にとっても可能性があることだが、課題も見えてきているという。

「自治体職員の方から『聖地巡礼が賑わっている地域で移住者が増えたらいいな』という話を伺うことがありますが、PRや支援に動いているか聞くと『何もやっていない』というところがほとんどです。自治体側が移住・定住に対する本気度を示すこと、移住者に長いスパンで伴走するような支援策を講じることが、聖地移住を実現するためには重要ではないかと考えています」

好事例となっているのが、聖地移住者が増えている静岡県沼津市。『ラブライブ!サンシャイン!!』のファンを対象にした移住相談会を、過去3回にわたって実施している。

「1回きりで終わるのではなく、3回も開催しているところに自治体の本気度が感じられます。また、移住相談会のアドバイザー的な立ち位置にいるのが、沼津市に聖地移住した自治体職員の方という点が特徴的で、とても大切な部分です。まさに、聖地移住者が聖地巡礼者と地域の間に立った事例といえます」

聖地移住したいと考えている人に正確な情報を伝える場を設けることが、地域にとってもプラスに働いていくというわけだ。

最後に、千葉さんが感じている聖地移住の面白さを聞いた。

「アニメをはじめとするエンターテインメント産業には、東京一極集中という特徴があります。制作会社が東京にあり、ライブやイベントも東京圏で行われることがほとんどなので、働くためにも楽しむためにも地方から東京に出るしかありません。しかし、聖地巡礼・移住によって、逆の流れができ始めています。その地域にしかない楽しさを見出すこと、地方を盛り上げることのきっかけになっている点が、非常にユニークで好ましいことだと思っています」

推し活の範囲を超えて、地域活性化にもつながっている「聖地移住」。さまざまな街を再び盛り上げるキーワードとなっていくだろう。

(取材・文/有竹亮介)

お話を伺った方
千葉 郁太郎
アニメ聖地巡礼・聖地移住研究者、公認会計士、京都文教大学非常勤講師(2026年4月より特任助教就任予定)。京都大学法学部卒業、同大学経営管理大学院修了。公認会計士として中小企業支援やベンチャー支援を行うかたわら、地域活性化とアニメ聖地巡礼を研究し、シンポジウム登壇やメディア出演、学術論文執筆、同人誌出版などを行う。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。

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