解決すべきは「働き手不足」よりも深刻な問題

人口が減る中で日本経済は成長できるのか? 50年後に「半減」もある中でこの国に必要なこと

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日本はこれからGDPを伸ばしていくべきか

――こうした中で気になるのが、今後の日本の経済成長です。人口が減っていく中では、国全体のGDP(国内総生産)を上げていくのは難しいと考えられますが、河合さんはどう見ていますか。

河合 もちろん人口が減っていけば、国全体のGDPを拡大するのも難しくなるでしょう。GDPはその国の「働き手の数」と「マーケットの規模」に大きく影響されます。人口が減ればこの両方が縮小しますので、GDPも縮小することとなるでしょう。

しかし、GDPだけが国の豊かさや経済の活気を示しているのかといえば、私はそうは思いません。これからの日本は、国全体のGDPではなく「1人あたりのGDP」の拡大を目指すことです。そのためには、働く人1人あたりの生産性を向上させるよう努力していくことです。

――どのようにそれを実現すればよいのでしょう。

河合 企業は経営モデルを、より少ない従業員数で利益を高める仕組みに変えることが求められます。そのためには、機械やAIといった設備投資、それを使う人的投資が重要となります。さらに、付加価値の高い商品、他が真似できない商品を生み出すことも求められます。なぜならそういった商品は利益率を高めるからです。人口減少社会では、企業は従業員1人あたりの利益を高めることです。

日本企業は、これまで多くの人に仕事が行き渡ることを重視してきました。戦後たくさんの人が職を失っていた時代に失業対策事業として作られた雇用の仕組みが現代まで引き継がれてきたのです。

しかし今後は働き手が減っていくため、なるべく少ない人数で生産性や付加価値を高める必要が出てきます。雇用の流動化も進むでしょう。こうした変化に対応できる企業が生き残るのです。

お話を伺った方
河合 雅司
一般社団法人人口減少対策総合研究所 理事長

産経新聞社論説委員を務めた後、独立。現在、東京財団シニア政策オフィサー、高知大学および大正大学客員教授のほか、厚労省、人事院の委員や産経新聞社客員論説委員、超党派国会議員の「人口減少戦略議連」特別顧問なども務める。これまで内閣官房「地方創生会議」、内閣府、農水省などの委員や日本医師会総合政策研究機構客員研究員等も歴任した。
「ファイザー医学記事賞」大賞、「文藝春秋読者賞」など受賞多数。主な著書に累計100万部超の『未来の年表』(講談社現代新書)シリーズや『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)など。
著者/ライター
有井 太郎
ビジネストレンドや経済・金融系の記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿している。企業のオウンドメディアやブランディング記事も多い。読者の抱える疑問に手が届く、地に足のついた記事を目指す。

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