「金利=リスク」は発行元の“信用度”で決まっている
『はじめての日本国債』著者が解説!「国債」の特徴と効果
金融政策などの影響を受ける「金利」の動き
「株式」や「社債」と「国債」が密接に関係していることがわかったが、そもそも「国債」の金利はなぜ変動するのだろうか。
「実は、証券会社がつくるマーケットを通して、満期を迎える前の『国債』の売買を行うことができます。簡単にいうと、メルカリのように、中古の『国債』を売買できるプラットフォームがあるというイメージです。この市場は流通市場と呼ばれており、『国債』の場合、主に銀行や生命保険会社などのプロの投資家(機関投資家)を主軸にした市場です」
このように中古市場を考えると、「国債」の価格と金利の関係が明らかになる。「国債」を含む債券の世界では、金利と価格が逆に動くことは難しいといわれるが、そのロジックは次のようなものだ。
例えば、読者が金利1%の「国債」を持っていたとする。その後、日銀の利上げにより金利が上昇して、金利1.5%の「国債」が市場に流通したら、読者が持っている1%のリターンの「国債」を買いたいと思う人はいないだろう。投資家を説得するためには、価格をディスカウントする必要が出てくる。100円で買ったものを99円にディスカウントすると、買い手から見れば、99円で買ったものが満期には100円で戻ってくるため、1円のキャピタルゲイン(売買差益)が生じる。読者がディスカウントするほど、このキャピタルゲインが増えるため、1.5%の金利に負けない魅力を持つところまでディスカウントすれば、購入希望者が出てくるという仕組みだ。
「中古市場(流通市場)と新規で『国債』を発行する市場(発行市場)は関連していると考えるのが大切です。財務省が新たに『国債』を発行するときには、マーケットで取引されている金利と同等またはそれ以上にしなければ、投資家は新規で発行する『国債』を買う理由がありませんよね。もちろん、ほかの資産も『国債』を軸にリターンが決まっているため、『国債』の金利の上昇は、ほかの有価証券にも影響を与えます。後編で個人投資家を対象とした『個人向け国債』の説明もしますが、その金利にも当然影響を与えます。あらゆるものが『国債』の影響を受けるので、その動向を追っていくことは重要だといえます」
すべての金利の起点になっているといえる「国債」。後編では、「国債」を個人の資産運用に用いる際に知っておきたいことを伺う。
(取材・文/有竹亮介)



