「国債」は満期までの年限が長いほどリスクが高くなるシステム
『はじめての日本国債』著者が教える「国債」を資産形成に用いる際の注意点
仮に、金利が年1.5%の「5年債(5年後に満期を迎える国債)」を購入したとする。これは将来5年間にわたって、年1.5%の利子が支払われることが確約された「国債」だ。
「『5年債』の金利が年1.5%のまま変わらなければ問題はないのですが、『国債』の金利は日銀の金融政策などによって変化します。仮に、『5年債』を購入した後に日銀が利上げを発表し、結果として『5年債』の金利が年2%になったとします。こうなると、自分が保有している『5年債』は年1.5%のリターンしかもたらさないのですから、『金利が上がってから買えばよかった』という気分になりますよね。前編で、『国債』にはプロの投資家を中心とした中古市場(流通市場)があると説明しました。流通市場において自分が持っている『国債』を売りたいなら、大幅にディスカウントしなければいけません。リターン(金利)が2%になる価格でなければ、投資家を説得できないからです。ちなみに、個人も流通市場での取引が可能です。また、個人投資家を対象とした『個人向け国債』の金利も流通市場の影響を受けるため、このメカニズムを理解しておく必要があります」
ただし、「国債」のリスクがプラスに働くこともあるという。
「逆に、金利が年1.5%の『5年債』を購入した後に景気が悪くなり、日銀が利下げをした結果、『5年債』の金利が年1%に下がったとします。そうなると、今度は『金利が1.5%のときにリターンを固定しておいてよかった』と感じるはずです。リターンを固定することがプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります」
このようなプラスとマイナスは、投資した時点で「国債」が生み出すキャッシュ(利子)を固定しているからだといえる。
「『1年債(1年で満期を迎える国債)』を買っていれば、金利が上がったとしてもすぐに元本が戻ってくるので、金利が高い水準ですぐに再投資できます。逆に、『40年債』などを低い金利で買ってしまい、その後金利が上がると、40年にもわたる長い間、かつての低い金利を享受せざるを得ません。例えば、2020年に金利が年0.5%の『40年債』が発行されたとします。これは40年間、毎年100円に対して0.5円の利子しかもたらしません。その後、金利が上昇し、2025年に金利年3%台で発行された『40年債』が流通していたら、投資家が2020年に買った『40年債』を市場で売ろうと思っても、大幅にディスカウントしなければ、買いたいと思う人は誰もいないということになるのです」

