「国債」は満期までの年限が長いほどリスクが高くなるシステム

『はじめての日本国債』著者が教える「国債」を資産形成に用いる際の注意点

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「国債」にも「固定金利」と「変動金利」が存在する

「国債」には「将来のリターンを固定する」というリスクがあることがわかったが、資産形成に活用するとしたら、どのような点に注意するといいだろうか。

「前編で、国債市場は銀行や生命保険会社を主軸としたマーケットと説明しましたが、個人投資家には『個人向け国債』が発行されています。これは、個人にとって買いやすい仕組みがなされています。利子の放棄などのペナルティはありますが、途中で解約することができるなど、定期預金に似た商品性になっている点です。また、金利についても、『固定金利型5年満期(固定5年)』のように金利が5年間変わらない商品もあれば、『変動金利型10年満期(変動10年)』という変動金利の商品もあります」

住宅ローンで考えるとより身近に感じ、理解しやすくなる。

「『金利リスク』の話をする際、しばしば『住宅ローンを変動金利で借りていますか? 固定金利で借りていますか?』と問いかけます。30年の住宅ローンを組んでいて、固定金利を選んでいるとしましょう。その後、金利が上がっていくと、『金利が低いうちに固定金利を選んでおいてよかった』と思いますよね。逆に、金利が下がってくると、『金利が低くなってから借りればよかった』という気持ちが生まれてきます。このような気持ちは、固定の契約期間が長ければ長いほど強く感じます。契約している30年ローンを固定金利にしたのに、金利が下がり続けたら、30年にわたって損した気分になるからです。逆に、金利がそのときに合わせて変化すれば、このような問題を避けられます。これが変動金利です。『個人向け国債』も10年間リターンを固定せず、そのときどきで金利を見直す仕組みにすれば、『金利リスク』を落とした運用ができるというわけです」

変動金利を実現するための選択肢として出てくるのが、「変動10年」だ。「国債」にも種類があり、それぞれに特徴があることがわかると、選択しやすくなるだろう。

「前編では、『株式』から『国債』まで、リスクとリターンのグラデーションがあるといいましたが、『国債』のなかでも、年限が短い『国債』のリスクは低く、年限が長い『国債』のリスクは高いという形でグラデーションがあります。このようにして考えると、結局『国債』についても、我々がどのようにリスクとリターンに向きあうかであり、投資家がどのリスクとリターンのプロファイルを選びたいかということに尽きます」

お話を伺った方
服部 孝洋
経済学者、東京大学公共政策大学院特任准教授。2008年に野村證券入社、2016年に財務省財務総合政策研究所に所属、2020年に東京大学に移籍し、現職。2021年に一橋大学にて博士(経済学)を取得。著書に『日本国債入門』『はじめての日本国債』、共著に『国際金融』。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
用語解説

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