「国債」は満期までの年限が長いほどリスクが高くなるシステム

『はじめての日本国債』著者が教える「国債」を資産形成に用いる際の注意点

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資産形成で大切なのは「自分で勉強して納得してから実践に移すこと」

服部さんは個人の資産形成に対して、伝えたいことがあるという。

「資産形成の手法を検討するときは、“自分で主体的に勉強する姿勢”が大切だと思います。私が話したことも含め、人から聞いた情報を鵜呑みにするのではなく、改めて自分で調べたり情報を探したりして、納得したうえで『債券』や『株式』を購入することが大切です。その結果、『預金』を選択するということもありだと思います」

例えば、パソコンを購入するとき。多くの人は自ら価格比較サイトや家電量販店などを訪ねて、価格やスペックを見比べ、吟味したうえで購入を決めるだろう。

「パソコンや食材など、身近なものを買うときは驚くほど細かくウェブをチェックして、安いものを買おうとするのに、投資信託や保険といった金額が大きい買い物は、他社との比較もせず、すぐに決めてしまう事例をたくさん見てきました。金額を考えれば、投資信託や保険などの金融商品を買うことは、人生における大きな買い物になるはずです。それにもかかわらず、金融機関の販売員に言われるがままに始めてしまう人も少なくないように感じます。自分が金融機関に就職したと仮定し、なぜその商品を勧めるのだろう、と想像することも大切だと思います。人に勧められたものを鵜呑みにして買った場合、仮に損をしたときに納得がいかないはずです。人の話を参考にしつつ、自分でしっかり調べて納得のいく手法で始めれば、仮に損をしたとしても『自分はそのリスクを取ってチャレンジしたんだ』と切り替えられると思います。自分にとって大切な資金を運用するならば、せめて金融に関する書籍などを何冊も読んで、情報を仕入れてほしいですね」

服部さんは、「そのうえで『投資をせずに、預金でいい』と感じるのであれば、それもひとつの選択」と話す。

「資産運用の勉強に多くの時間を使うことが本当に幸せかというと、私自身はそうでもないと思うこともあります。もしかしたら金融の勉強よりも英語の勉強に時間を費やし、本当にやりたかった仕事や生活を実現するほうが、楽しい未来が待っているかもしれません。私自身は、金融がテーマではありましたが、30代で勉強をして論文を書き、学者になりました。資産運用について考える際も、自分自身が何をしたいのか、何のためにお金が必要なのかに向き合うことも大切ではないかと思います」

注目度が高まっている「国債」だが、まずはしっかり情報収集を行い、自分の考え方や目標とマッチしているか確認することが大切だ。納得して活用できるものを探そう。

(取材・文/有竹亮介)

お話を伺った方
服部 孝洋
経済学者、東京大学公共政策大学院特任准教授。2008年に野村證券入社、2016年に財務省財務総合政策研究所に所属、2020年に東京大学に移籍し、現職。2021年に一橋大学にて博士(経済学)を取得。著書に『日本国債入門』『はじめての日本国債』、共著に『国際金融』。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
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