ブラックロックが世界初*の日本円建て社債ETFについて語る

【インタビュー】「日本の社債を、もっと身近に」

提供元:ブラックロック・ジャパン

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*日本円建ての社債を主要投資対象とするETFは世界初。ブルームバーグをもとにブラックロック調べ、2026年1月末時点。「アセットクラス・フォーカス」が「債券」、および「地域」が「日本」であるETFの中で主要投資対象を比較。

はじめに:「ブラックロックのiシェアーズは常にイノベーター」 ステファン・ライプリー

ステファン・ライプリー
iシェアーズ債券ETFグローバル共同責任者

資産運用残高、世界No.1の運用会社 のブラックロックが展開するETFブランドiシェアーズは、債券ETF分野においても常にイノベーターとして業界をリードして参りました。

2002年にブラックロックが米国で初めての債券ETF(LQD、SHY、IEF、TLT)を立ち上げ、翌2003年にはUCITS(欧州における統一基準を満たしたファンド、Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)市場でも債券ETFを導入しました。

現在、米国では債券ETFは投資の主要ツールとなっており、2020年のコロナショック時にはFRB(米国連邦準備制度理事会)が市場安定化のための政策手段として活用するまで普及しています。

日本でも金利環境の変化の中、円建てインカム資産への新たなアクセス手段として債券ETFの役割が今後拡大する可能性があります。米国で培った運用ノウハウと、日本の円債運用チームの経験を融合することで、日本市場に最適化した商品を提供し、債券ETFが日本の投資家にとっても重要な投資ツールとなることを目指しています。

■ パート1:なぜ今、日本社債のETFなのか

〇「金利のある世界」に戻りつつある日本

番場 悠 取締役 運用部門長

番場: 日本は低金利時代が長く続いてきたため、債券に投資をしようという機運がなかなか生まれてこなかったのですが、この数年大きな変化が起きています。デフレ時代をようやく脱し、経済が回復し、マイルドなインフレが起きる時代が戻ってきました。経済政策上、極端に低い金利にせざるを得なかった中央銀行も政策を転換、日本は「金利のある世界」に戻りつつあります。実に30年来のことではないでしょうか。債券市場に照らしていえば、ゼロあるいはマイナスの世界からプラス金利の時代が戻ってきました。

今、日本の債券は投資対象としての魅力度が高まりつつあります。機関投資家にとってもそうですし、個人投資家にとってもそうです。「円」で利回りを得る資産への関心が高まっています。

そうした中、世界初*の円社債ETFとして登場したのが、ブラックロックの「iシェアーズ 高格付け日本円社債ETF(証券コード:515A 愛称:日本の社債)」です。「515A 日本の社債」は、投資適格社債を対象に国債に対してスプレッド(超過リターン)の獲得を目指します。リスクを取りますが、投資適格社債のみを対象としていますので、きわめて低いリスクに抑えられます。

投資家にとって利便性の高い資産クラスとして、円社債ETFが新たな選択肢に加わることは大きな価値があると言えるでしょう。

〇 今まで個人にはハードルの高かった円建て社債の世界

坂本 太郎 ディレクター ファンダメンタル債券運用

坂本: 社債では、国債と比較すればリスクはあるものの、一般にスプレッドの分だけ国債よりも高い利回りを期待できます。

インカム(定期的な利払い)のある商品を投資対象として組み入れたいが、国債を買うだけではつまらない、というような方にとって、日本の社債市場は円建てインカム資産としての魅力があるのではないでしょうか。日本社債市場の特徴として、A格以上の信用力の高い会社が太宗を占める点があげられます。

実際、社債を発行している会社には株式投資でなじみのある会社もたくさん含まれており、国債よりも親近感があるかもしれません。ただし、日本を代表する大企業であっても、過去に突然の業績悪化や不祥事の影響等から信用力が低下し、債券価格にも大きな影響を及ぼした例があります。格付けが高いからといって銘柄選びは必ずしも簡単ではないと言えるでしょう。

また、今まで国内の社債市場といえば機関投資家中心のマーケットとなっていました。最低でも1億円以上の資金を必要とするケースが多いなど、個人の売買にはハードルの高いマーケットだったからです。

関 一仁 ヴァイスプレジデント ファンダメンタル債券運用部

: 銘柄選びという観点では、利回りが高いものが魅力的に映りがちですが、信用力の低い会社へ投資する見返りとして利回りが高くなっているため、必ずしもいいことばかりではないのです。

個人向け社債がいくつか設定されていますが、発行する企業は少なく、100万円単位でようやく1銘柄を購入できるなど、一般の方にとっては資金が集中しすぎるところが難点でした。

本来、投資家層がもっと広がる可能性を秘めた市場でありながら、債券投資は個人投資家には利用しにくいところがありました。こうした悩みは、実はETFという仕組みにより、一気に解決できる可能性があるのです。

■ パート2:ブラックロックだからこそ実現した世界初*の円社債ETF

〇 債券投資にマッチするETFの特性

番場: ETFの最大の魅力は、株式と同じように証券取引所で自由に売買できる点です。市場が開かれている時間であれば、いつでも売買が行えます。債券投資のネックであった流動性が低いという心配もありません。

運用コストが低く抑えられることも特徴です。ブラックロックの提供するETFはどれも運用コストを低く設定していますが、高格付けで信用力の高い社債を手軽に保有することができます。少額投資のメリットもいうまでもありません。現在であればだいたい5,000円くらいから手軽に社債投資が始められます(基準価額×10口が購入単位。購入価格は記事作成時点、2026年4月)。

従来の個人向け社債は、だいたい100万円ごとに1社の債券しか買えず、選べる銘柄も少ないという制約がありました。一方で、ETFなら約100万円の200分の1、つまり5,000円から国内の社債に投資でき、しかも一つのETFで複数の企業の社債に分散投資できるため、リスク分散の効果も期待できます。「誰でも簡単に債券投資を」というのが「515A 日本の社債」のキーワードです。日本の個人投資家が日本企業の社債に投資できる仕組みができ、新しい投資の選択肢がふえます。

〇 ブラックロックのグローバルな実績が結実した世界初*の円社債ETF

坂本: 「世界初*の円社債ETF」というと、設定にあたり大変な苦労があったように質問をいただくこともありますが、実はあまりそうでもありません。というのも、ブラックロックには債券運用、ETF運用の実績があるからです。

債券ETFはブラックロックがパイオニアといってもいいでしょう。社債運用の世界でも米国市場、欧州市場で圧倒的なシェアを持っています。長年にわたる運用の実績、ノウハウの蓄積、豊富な経験があるわけです。また、日本における社債運用も2006年から行っており、20年を迎えました。一貫して東京オフィスで運用を行っているのも特徴です。たまたまですが、運用スタッフも全員日本人です。グローバルなノウハウと、日本市場での知見、双方を同時に持つ運用会社はあまりありません。

確かに、商品開発をスタートして設計から上場まで2年近くの時間をかけていますが、これはむしろタイミングの問題でした。当時は日本で金利上昇が始まったばかりで、円社債の債券ETFといってもなかなかピンとこない状況でした。しばしば懐疑的な反応を受けながら準備を進めていきましたが、金利が回復してきた流れに乗り、むしろ満を持しての上場で結果的にいいタイミングに公開できたのではないかと考えています。

■ パート3:ETFで提供できる日本社債運用の魅力と運用体制

〇 ブラックロックならではの国内社債運用における強みと運用体制

: 複数の社債を組み入れるETFですから、銘柄分析は重要です。これはなかなか個人には難しいところであり、ETFや投資信託の力を利用していただきたいところです。

債券は特に、信用力の分析が大切です。クレジットの分析、事業構造や収支構造を評価するなど債券運用チームの腕の見せ所です。債券を発行する会社名だけで判断できるものではなく、国債よりも高い利回りを提示されていても、その水準やスプレッド(リスクの見返りとして国債に対して上乗せされる金利)は適正かどうかを見極めるのは簡単ではなく、評価は難しいところです。

リターンを高く取りに行く分析、というより、相対的に劣後する銘柄を慎重に避けるのが私たちの役割といったら、少しご理解いただけるかもしれませんね。運用チームの経験やノウハウを示す一例として、信用力の悪化により社債価格が大幅に低下した銘柄は過去20年保有していたことがないということは実績としてご披露させていただきます。国内の社債運用に豊富なノウハウを持つことは、他にはないアドバンテージではないかと思っています。

〇 国債の利回りを上回るETF運用は簡単ではない?当社の腕の見せ所

坂本: 2026年3月末の時点で、「515A 日本の社債」の運用状況としては、利回りベースで年2.2%くらいを出すポートフォリオとなっています。国債より0.39%程度利回りが高いくらいでしょうか。

基本的なポートフォリオとしては、信用力の悪化による価格下落リスクが高い銘柄は避けています。一般的には格付けがシングルA格以上の銘柄が市場の大半を占めるところ、「515A 日本の社債」では、運用開始から日が浅い中で現在(2026年3月)はより信用力や流動性が高いAA格ながら、相対的にスプレッドが厚い銘柄を多めに保有しています。

もちろん、ボトムアップによる個別銘柄の分析をもっとも重視する中で、A格についても銘柄の選別をしっかり行い組み入れています。また、セクター分散も図っています。信用力の安定を重視する中で、現時点では電力、ノンバンク、鉄道などがバランス良く組み入れられています。

: 運用の難しさとしては、新たに買い入れる個人投資家、売却をされる個人投資家がいらっしゃる中、そうした日々の売買があり得ることを踏まえた運用が必要なことです。機関投資家の年金運用などでは長期保有が基本なのですが、より流動性を意識した銘柄保有が求められます。

そうかといって信用力が高く売買しやすい銘柄ばかり保有すると国債と利回りの差が出なくなるので、そこは腕の見せ所でしょうか。ノウハウがないと簡単にできないETF運用ですが、長年経験を積んできた当社ならではの運用力にご期待いただければと思います。

■まとめ:個人投資家に、日本の社債をもっと身近に!

〇 個人投資家のポートフォリオの選択肢に社債ETFを

番場: 債券は安全性が高いアセットクラスであり、その保有は投資家のポートフォリオの安定性を高め、リスクを抑える役割を果たします。債券投資の組み入れは個人投資家にとっても価値があるはずです。

確かに個人投資家の選択肢としては、株式投資が基本であろうと思います。しかし株式のリスクはそれなりに大きく、人によっては価格の上下動にヒヤヒヤしていることもあるのではないでしょうか。債券は株式ほどの価格上昇幅を望めないものの、堅実にインカムを得ていく投資対象であり、株式と同時保有をすることでポートフォリオ全体に安定感をもたらすことになります。

株式投資において、配当利回りの高さに注目する人が増えていますが、定期的な利払いが行われる投資手段として債券の魅力も見逃せません。また、円資産で債券に投資できることは、近年の不安定な為替市場をみても日本の個人投資家にとって安心して資産運用できるメリットがあると言えるでしょう。

年齢を重ねるにつれてリスク許容度が低くなる高齢の方にとっては、投資資産における株式の割合を減らし、その代わりに国内の債券を組み入れるのが安心できる選択肢のひとつとなるでしょう。

一つご注意いただきたいのは、金利上昇時には債券価格が下落するという関係があることです。これはちょっと分かりにくいところです。ただし金利上昇が落ち着いてくれば、追加で組み入れる新たな債券の金利は上昇することになりますので、価格の下落とインカム収入はバランスしていくことになります。

個人向け社債などは満期まで利回りが固定されていますが、ETFは時勢に応じた利回りに変動していきます。ETFならではの流動性を活かしつつ、金利上昇をにらんだ運用が行えるのも、もう一つの側面です。

当ETFの活用は、個人投資家にとって使い勝手のよい選択肢となり得ると思います。それぞれのリスク許容度に応じて投資をすることが大切な中、運用の一部を債券ETFに振り向けることは合理的な投資判断ではないでしょうか。

私たちは、日本の社債市場を、もっと多くの投資家に身近なものにしていきたいと考えています。

(インタビュー/山崎俊輔 提供元:ブラックロック・ジャパン)

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