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コーポレートガバナンスコード改定版公表 ~作成側の意図を読み解く~
提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
◆企業や投資家はどう対応すれば良いのか。
7月21日金融庁と東証は、コーポレートガバナンスコード(CGC)の改定版を公表しました。今回の改訂は2021年以来5年ぶりの改訂となります。4月の段階で示された改訂案から実質的な変更はなかったことから、内容自体にサプライズはありません。
今般正式に内容が決定され、「上場会社は、遅くとも 2027 年7月末日までに、改訂版コードに関する事項について記載したコーポレートガバナンス報告書を提出する必要がある」となっていることから、次回の株主総会に向けて、上場企業は新しいコードに対応していくことになります。新しいCGCは、表紙も含め27ページありますが、今回の変更のポイントを知るという意味では、別途公表されている「成長投資の促進に向けたコーポレートガバナンス・コードの改訂について」(4ページ)を読めば理解できるようになっています。
見た目上の大きな変更は、法的拘束力を伴わない「Comply or Explain(遵守か説明か)」の対象となる「原則」を大幅に削減、具体的な対応は「解釈指針」で示すことになった点で、項目としてはかなり「スリム化」されています。また、内容としての大きな変化は、企業が自主的に考え行動する「プリンシプルベース」になったことです。
今回の作成側の最大の意図はこの「プリンシプルベース」にあるとみられます。従来は、「・・・すべきである」という表現が目立ちました。この場合、「ここまですればもう良い」、「自分の会社は達成しているのでこれ以上やる必要はない」となる場合があったり、また、「すべき」の範囲を極端に狭く解釈するといったケースがありました。そこで、これらを企業にとって「最も良いと考えるものを目指す」ということに変更したと考えられます。このことにより、企業側は、不断の努力を続けることになり、投資家側は、更なる向上を目指して対話をすることになります。結果として企業の成長を後押しすることになり、最終的には日本の成長戦略に繋がると期待されます。
◆企業と投資家のwin-winを目指して
今回の改訂の留意点としては、(1)成長投資の促進、(2)取締役会機能の強化、(3)有価証券報告書の定時株主総会前開示、の3点が示されていますが、株式市場の注目は(1)成長投資の促進で、「現預金等の金融資産や実物資産等の経営資源を成長投資等に有効活用できているか」になります。
これは、キャッシュを持ってはいけないということではなく、現預金や不動産、有価証券などを保有するにあたって、何をどの程度保有することが適切なのか、将来の投資計画も含めて、どう考えているのかなどを明確にしていくということになります。今後は投資家との対話などを通じて、これらの適正度合いを探っていくことになるとみられます。
コーポレートガバナンスの実質的な改革へ向けて、企業と投資家の対応が求められますが、結果的に企業が成長することで双方にもメリットが行き渡ると考えられます。
チーフストラテジスト 上野 裕之
(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)
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