日本の防衛企業の評価に変化~日本の主要防衛企業に対する市場の評価(時価総額)が高まる~

提供元:野村證券 投資情報部

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世界の防衛産業は、米国企業のほぼ独占状態

米国の世界最大規模の防衛費を背景に、米国の主要な防衛企業は、長期にわたって安定した受注を獲得してきました。加えて、防衛装備品を海外へ輸出し、米国の同盟国・友好国の需要を取り込むことが、業績拡大につながっています。SIPRI(ストックホルム国際和平研究所)が公表する2024年の世界防衛企業の売上高ランキングでは、米国企業が上位をほぼ独占しています。

一方、同ランキングで上位100位までにランクインしている日本企業は5社のみで、最上位の三菱重工業でも32位でした。日本の防衛費が米国と比べて相対的に小規模で、また、「防衛装備移転三原則」の存在により防衛装備の輸出に制約があったことから、日本の防衛企業の全社売上高に占める防衛事業の割合は小さく、かつ防衛事業は低採算な事業であったと考えられます。

日本と海外の各主要防衛企業の時価総額・全社売上高の推移

(注)日本企業、海外企業ともに時価総額は月次で直近値は2026年7月、全社売上高は年次で直近値は2025年度。日本の主要防衛企業の時価総額は月中平均為替レート、全社売上高は各年度の期中平均為替レートに基づき、米ドル換算した。全社売上高には防衛以外の事業を含み、防衛事業の売上高を示すものではない。日本企業は3月、海外企業は12月を年度末としている。日本企業は、三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、日本電気の5社、海外企業は、ロッキード・マーチン(米国)、RTX(米国)、ノースロップ・グラマン(米国)、BAEシステムズ(英国)、ゼネラル・ダイナミクス(米国)の5社。時価総額、全社売上高ともに、日本企業、海外企業の各5社の合計値。
(出所)ファクトセット、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

日本の防衛費拡大や制度改定などから、日本の防衛企業に対する評価に変化

しかし、日本の防衛事業を取り巻く環境にも変化が生じつつあります。2022年のロシアによるウクライナ侵略を契機に、日本の防衛費は2023年度以降増加傾向にあります。また、2026年4月には、防衛装備移転三原則の改定により、防衛装備品輸出の制約となっていた5類型が撤廃されました。こうした変化を受けて、日本の主要防衛企業に対する市場の評価(時価総額)は急速に高まっています。

ご投資にあたっての注意点

著者/ライター
大坂 隼矢
野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
2010年 野村證券入社。3店舗での支店業務を経て、2015年3月より投資情報部。現在は月刊誌「Nomura21 Global」等、個人投資家向け株式資料の作成をはじめ投資情報の提供を行う。

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