投資信託のトレンドが分かる!
2026年8月 投資信託の資金フロー
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。
そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2026年8月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信
1.投信市場における資金の流出入動向
「資金流入超過額は前月比減少、外国株式が流入の中心も国内株式は大幅に縮小」
8月の資金流出入は約1兆7,200億円の資金流入超となり、前月(約2兆3,470億円の流入超)から減少した。
資産別の資金流入では、流入額の多い順に「外国株式」(約1兆4,600億円)、「国内株式」(約1,920億円)、「複合資産」(約1,640億円)となった。「外国株式」は前月(約1兆5,780億円)から流入額がやや縮小したものの、引き続き資金流入の中心となった。「国内株式」は前月(約6,190億円)から流入額が大きく縮小した。
資産別の資金流出では、流出額の大きい順に「エマージング株式」(▲約310億円)、「外国債券」(▲約170億円)、「外国REIT」(▲約150億円)となった。「エマージング株式」は前月(▲約230億円)から流出額が拡大した。
個別ファンドの資金流入では、1位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ、約3,960億円)、2位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ、約2,020億円)、3位は「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」(インベスコ、約1,810億円)となり、前月に続き同じ3ファンドが上位を占めた。
4位には「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド D」(フィデリティ、約970億円)、5位には「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」(朝日ライフ、約710億円)が入っており、海外成長株ファンドへの資金流入が継続している。両ファンドは毎月決算型の商品であり、海外成長株への投資を通じた値上がり益の追求に加え、定期的な分配金受取りへのニーズが継続的な資金流入につながっているとみられる。
国内株式ファンドでは、7位に「野村構造変化日本株ファンド」(野村、301億円)、8位に「ノムラ・ジャパン・オープン」(野村、296億円)、13位に「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」(三菱UFJ、約220億円)がランクインした。「野村構造変化日本株ファンド」は前月に約1,100億円の大型設定となった後も資金流入を維持しており、日本の構造変化や成長戦略を投資テーマとする国内株式ファンドへの関心が続いている。
主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

資金流入上位15ファンド一覧

2.投信市場のパフォーマンス動向
「AI・半導体関連株の買い戻しや好調な企業決算を受け内外株式が堅調」
8月の金融市場では、AI・半導体関連株の買い戻しや好調な企業決算などを背景に、内外株式が上昇した。一方、長期金利の上昇が重石となり、内外の債券・REITは下落した。為替市場では、米ドル・円は円高となった一方、ユーロ・円は円安となった。
株式市場では、国内株式、海外株式ともに上昇した。国内株式は、月上旬に7月に下落したAI・半導体関連銘柄への買い戻しを受けて大きく反発した。月中旬も上昇が続いたが、国内金利の上昇を受けてAI・半導体関連銘柄を中心に利益確定売りが入り、下落に転じた。月下旬は、AI・半導体関連銘柄が引き続き軟調となった一方、国内金利の上昇を背景に金融関連銘柄が買われたほか、法人向け電気料金の引き上げを受けて電力銘柄なども上昇し、月間では上昇した。
米国株式は、月前半に好調な企業決算や米・イラン協議の進展などを背景に上昇した。月後半は、トランプ大統領のイランを巡る発言や、ジャクソンホール会議を受けた利上げ観測の高まりから下落したものの、月間では上昇した。欧州株式は月前半は上昇したが、月後半は中東情勢や猛暑による電力需要の増加などを背景に天然ガス価格が上昇し、ECBの利上げ観測が高まったことから下落に転じた。ただし、月間では上昇して終えた。
債券市場では、日本10年債利回りは上昇した一方、米国10年債利回りは概ね横ばいとなった。日本10年債利回りは、月前半に7月末の円買い介入による円高効果が一服し、円安への警戒感などから物価上昇懸念が高まったことを受けて上昇した。月後半も財政拡張への懸念などを背景に上昇が続いた。米国10年債利回りは、月前半は方向感を欠く展開となり横ばいとなった。月後半も上げ下げを繰り返し、ジャクソンホール会議でFRB議長から金融引き締めに前向きな発言があったことで利上げ観測が高まったが、月間では横ばいで終えた。
REIT市場では、国内REIT、海外REITともに下落した。国内REITは、月前半に国内金利の上昇を受けて下落した。その後は不動産市況の堅調さが下支えとなり横ばいで推移したが、月後半も国内金利の上昇から再び下落した。米国REITは、米長期金利の高止まりが重しとなり下落した。月後半も、原油高やジャクソンホール会議を受けた利上げ観測の高まりから米国金利が上昇し始めたことにより、下落が続いた。
為替市場では、米ドル・円は円高、ユーロ・円は円安となった。米ドル・円は、月前半に7月末の円買い介入を受けて大きく円高となったが、その後は円高が一服し、徐々に円安方向に推移した。月後半には、米財務省による長期国債の買い戻し増額発表を受けて、米国金利低下による日米金利差縮小への思惑などから一時的に円高に振れたものの、ジャクソンホール会議を受けた利上げ観測の高まりから円安が進んだ。ただし、7月末の円買い介入の効果は大きく、月間では円高となった。ユーロ・円は、月前半は円買い介入を受けて円高となったが、月後半はインフレへの警戒からECBが9月に追加利上げに踏み込むとの見方が高まり、円安が進んだことから、月間でも円安となった。
パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
3.新規設定ファンドの動向
「設定額・本数ともに前月比減少、国内株式ファンドが設定額の大半を占める」
8月の新規設定額は約200億円となり、前月(約2,190億円)から大幅に減少した。設定本数も17本と前月(24本)から減少しており、設定額・本数ともに前月を下回った。分類別では、国内株式ファンドの設定額が約160億円と全体の約8割を占めた。設定本数は5本であり、当月の新規設定は国内株式ファンドが中心となった。
新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かったのは「ニッポン国家成長戦略ファンド」(SBI岡三、約100億円)であり、当月の設定額全体の約半分を占めた。2位は「SBI-Man AIインサイト日本株式ファンド」(SBI、約40億円)、3位は「高利回り円建社債/成長戦略プラス2026-08(資産成長型)」(りそなAM、約20億円)となった。
前月には「野村構造変化日本株ファンド」(野村)が新規設定額1位となり、約1,100億円の大型設定を集めたが、当月も「ニッポン国家成長戦略ファンド」や6位の「日本成長戦略株式ファンド」(アモーヴァ、約10億円)など、日本の成長戦略に関連したファンドの新設が相次いでいる。政策支援が見込まれる成長分野、企業の構造改革、技術革新などを投資機会として捉える商品への投資家の関心が継続しているとみられる。
もっとも、同じく成長戦略をテーマとするファンドでも、政府の政策に直接着目するものや、政策を含めた幅広い構造変化を捉えるものなど、運用方針には違いがある。名称やテーマが類似している場合でも、投資手法、投資対象、組入銘柄、想定される価格変動リスクは異なり得るため、投資家は各ファンドの運用方針やリスク特性を確認したうえで選択することが重要である。
このほか、4位に「しんきん日本アニメ&ゲーム関連株式ファンド」(しんきん、約10億円)がランクインした。近年、アニメ、ゲーム、キャラクター、コンテンツなどのIP(知的財産)を投資対象とするファンドが設定されており、当月も日本のコンテンツ産業の成長性に着目した商品が加わった形となった。日本の成長戦略においてもコンテンツ産業は重点分野の一つに位置付けられており、こうした政策面での期待も投資テーマとしての注目度を支える要因とみられる。
新規設定金額、設定本数の推移

新規設定額上位10ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)
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