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AI時代がもたらす電力需要の増加

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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◆第7次エネルギー基本計画

近年、生成AI(人工知能)の需要拡大により、データ処理需要が急増しており、データセンター新増設の計画が相次いでいます。データセンターは多数の先端半導体を冷却しながら、24時間365日稼働させる必要があるため、膨大な電力を消費します。

資源エネルギー庁が2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」は、脱炭素化とエネルギー安全保障の両立を目指したものです。エネルギーに関する状況変化として、データセンターや半導体工場などの新増設による電力需要の増加に対して、脱炭素電源の拡大で対応する必要があることを示しています。

同計画では、2040年度の総発電電力量を1.1〜1.2兆kWhと想定しています。さらに、2040年度時点の電源構成比として、火力3~4割、再生可能エネルギー4~5割、原子力2割程度にすることを目標としており、それが実現すれば、エネルギー自給率は3~4割程度にまで引き上げられる見通しです。

◆日本の電源構成の現状

もっとも、現在のペースが、第7次エネルギー基本計画の目標達成に十分な水準なのか、見極める必要があります。現在の日本の電源構成(2024年度「エネルギー白書」)は、火力67.5%、再生可能エネルギー23.1%、原子力9.4%という分布で、火力発電への依存度が高いことが分かります。また、エネルギー自給率は16.3%と他のOECD(経済協力開発機構)諸国に比べて低水準です。

一方、現在運転中の原子炉は11基にとどまっています。2040年度見通しに向けて、石炭火力を中心に輸入依存度を低下させる一方、再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電を活用する必要があります。こうした電源構成の転換が進めば、エネルギー自給率の向上が期待されるほか、電力供給量の確保にもつながると考えられます。

◆AI時代に求められる今後の課題

AIの普及ペースやデータセンター新増設の動向は依然として不確実性が高く、将来の電力需給の前提条件が変わり、2040年度までに必要とされる総発電電力量がさらに上振れる可能性があります。例えば、電力中央研究所(※)の試算によると、データセンターの需要電力量は、2040年度までに約1000億kWhと、2030年度の約460億kWhから2倍以上のペースで高まることが想定されています。

※間瀬ほか(2025)「データセンターの電力需要の特徴に関する考察と将来推計 -2025年度版OCCTO供給計画を用いて-」、電力中央研究所社会経済研究所ディスカッションペーパー: SERC25001

前回の第6次エネルギー基本計画は2021年に策定され、第7次計画の策定まで約4年を要しました。しかし、こうした変化のスピードを踏まえると、従来の改定サイクルではなく、必要に応じて機動的に計画を見直すことも必要となるでしょう。また、その際には発電設備の導入状況だけでなく、送電網や変電所など送電インフラ整備の進捗や実際の電力需要の変化を継続的に検証していくことも重要です。

AI時代の安定した電力供給を実現するためには、需要とのバランスを見極めながら、着実に体制整備を進めていくことが求められるでしょう。

中村 ななみ
シニアエコノミスト 藤本 啓

(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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